アパレルトップインタビュー2019②

2019年01月08日(火曜日)

ワールド 社長 上山 健二 氏

総合サービス企業へ/創造的自己破壊で変革

  ――2018年を振り返ると。

 次なるトランスフォーメーション(変革)に向けた3カ年のスタートの年として、事業セグメントをブランド事業、プラットフォーム事業、投資事業、デジタル事業の四つに再編した。また、MBOから13年を経ての再上場という大きな節目の年でもあった。再上場は、今後の成長に向けて戦略投資を集中的に行う必要があると判断し、このタイミングで実行した。第2四半期は、M&A(企業の合併・買収)したアスプルンドやティンパンアレイなどの利益貢献もあり、増収増益となった。通期でも増収増益の予想だ。

  ――19年10月の消費増税の影響は。

 消費者の財布のひもが、さらに固くなるだろう。平成への惜別と新元号への高揚感というムードに加え、日本で開催されるさまざまな国際的イベントを間近に控え、経済効果がもたらされるチャンスはあるが、楽観視はしていない。

  ――経営を進める上で、特に関心のあることは。

 従来型の店舗販売を中心とした国内アパレル市場は成熟化しており、熾烈(しれつ)なシェア争いが一層激しさを増している。今の企業数やブランド数、店舗数は維持できなくなり、業界再編がより一層活発になるだろう。一方で、デジタル化の伸展に伴う消費者の購買行動の多様化を背景に、新たなファッションマーケットには新規参入企業も多い。当社も、過去からの成功体験を見詰め直し、“創造的自己破壊”という視点で自ら変革し、新しい事業分野に挑戦していきたい。

  ――19年の重点戦略と課題は。

 1月13日に創立60周年を迎える。常に業界の常識を打ち破り、新たな価値を次々と提案してきたワールドグループのDNAを継承し、ファッション業界における“総合サービス企業グループ”へと進化していきたい。また、売り上げの8割を占めるブランド事業は、既存店100%超にもう一度こだわる。既存店100%を超えているブランドは、そのブランドを目的に、あの店に行ってみたいとお客さまに思わせる何かがある。そして、60年にわたり培ってきたユニークなプラットフォームを生かし、投資とデジタルの2軸で新たな付加価値創造に取り組んでいく。