アパレルトップインタビュー2019⑤

2019年01月11日(金曜日)

レナウン 社長 北畑 稔 氏

一人二極化の消費/「着ルダケ」の反応良い

  ――衣料市場をどう見るか。

 消費の二極化が加速した。消費の支出の行き先が、高額だが代替の利かない価値のあるモノや体験に向かう。一方で、同じ一人の顧客が低価格で高品質、あるいは高感度、超便利さも求める。富裕層だから、中低所得者だからこっちというのではない。配分の比率が違うだけ。「一人二極化」で、二つの価値を意識的に振り分ける。

  ――消費の成熟化か。

 他者からの評価の価値が相対的に下がっている。私が中心になる。あんな人になりたいといった意識が薄れる。着るもの以外でも自己表現の手段が増え、充足されているのでは。

  ――天候にも左右された一年だった。

 昨年の東京は4月(21、22日)に真夏日を記録した。12月初めにも夏日があり、1年で約9カ月間、夏があったということ。重衣料にとって厳しかった。9月には台風21号が到来した。物流ラインが断たれるなどBCP(事業継続計画)の中で重要なテーマだ。

  ――昨年はどのように取り組んだか。

 電子商取引(EC)事業を拡大し、春からは月額制・ビジネスウエアトータルサポートサービス「着ルダケ」を開始した。着ルダケはある程度の会員数と満足度の向上が必要。目標の1万人を早く達成したい。顧客の評価は上々で、クリーニングにもメリットを実感されている。春夏にはクールビズ対応の内容にし、中身を変えて満足度の向上を図る。コンシェルジュサービスもチャットを春から導入する。

 レナウンインクスは「マッキントッシュ フィロソフィー」の紳士肌着を始めた。五輪関連では紳士、子供肌着を公式ライセンス商品として展開。11月7日を「いいレナウンの日」と制定した。

  ――10月の消費増税に向けた価格政策は。

 付加価値を増大させる一方で、一部カジュアルは価格戦略も採る。ブランドやアイテムで分けて対応する。投入の時期もパターンオーダーは前倒しで受注。コートの投入時期も検討する。クーポンやポイントアップの施策もあるだろう。

 「ダーバン」は50周年(2020年)のプレイヤーの年。その準備のための投資をスタートさせる。「アクアスキュータム」も21年に170周年を迎える。「アーノルドパーマータイムレス」を含め3事業への投資は続けていく。