両角みのりのイタリアモードの今 (12)

2019年01月29日(火曜日)

19秋冬ミラノメンズコレクション/ストリートとエレガンスが融合

 1月11~16日、19秋冬ミラノメンズコレクションが開催された。今年は昨今のウイメンズ・メンズ統合の動きや都市の移動などの影響で会期期間は短くなったが、3日間で27のコレクション、16のプレゼンテーション、18のイベントを含めて52コレクションがミラノ各所で行われた。

 オープニングを飾ったのはアレッサンドロ・サルトリによる「エルメネジルド・ゼニア」。ミラノ中央駅の階段を使い、駅の外壁にマッピングでゼニアマークを投影する大掛かりで華やかな幕開けとなった。

 「プラダ」はオランダの建築事務所OMAによってデザインされた財団倉庫をキャットウオークに、フランケンシュタインをモチーフにした男女合同ショーを行った。足首までの長さのパンツやウエストをタイトに強調する幾重にも巻かれたベルト、異素材の継ぎはぎニットが特徴的だった。

 異なるアニマル柄を組合せたりネオン柄プリントなどパンク要素の強い「ニール・バレット」、カラフルな異柄をコラージュしたり異なる素材をレイヤードしたりして新しい均衡を表現した「マルニ」。エレガントなスーツスタイルに始まり、クラシカルなラインはそのままに遊び心あふれるモチーフをプリントに使った「ドルチェアンドガッバーナ」。

 若手デザイナーの中でも勢いのあった「エムエスジーエム」は、モータースポーツをテーマにビビッドでパワフルなショーを見せた。前回に引き続き日本のアニメとのコレボレーションも楽しい。シルヴィア・フェンディがカール・ラガーフェルドとコラボレーションした「フェンディ」は、バイカラーのジャケットやコラージュしたプリント、新しくアレンジされたFFロゴ、バゲットバックが初登場など、モダンとクラシックという二面性をテーマに、老舗らしい格式のあるコレクションとなった。

 全体的にはコレクションに欠かせない大御所と並んで新しい若いファッションブランドが参加し、ミラノ中央駅の階段やナヴィリオ、有名なスカラ座などの歴史的建築が舞台として選ばれるなど、期間の短さをカバーするコレクションとなった。不均等なカットやベルベット、革のパンツ、アニマルプリントとカラフルな色味をまとう枠にはまらない男性のイメージが明らかになり、オーバーサイズのゆったりとしたシルエットが特徴的なパフィコートは鮮やかな赤と同様目立っていた。

 昨年に引き続きストリートスタイルも見られるが、全体的にクラシックやエレガンスへ向かう流れを感じられたように思う。

もろずみ・みのり 15年前にイタリアへ渡り、建築デザインとファッションを中心とした企業視察や通訳を務める。2016年からImago Mundi代表。