タイ生地・縫製企業/サステイナブル素材提案/米中問題の影響懸念も

2019年01月30日(Wed曜日) 午前10時53分

 タイの衣料品・繊維製品の製造輸出企業は、日系企業向けに、サステイナブル(持続可能な)素材開発やミャンマーなど近隣諸国への工場進出などに取り組む。米中貿易摩擦で、中国の日本市場シフトに懸念を持つ企業もある。

 コンキエット・テキスタイル社は2年前、「エリシルク」の糸を開発した。タイの東北部はキャッサバ(芋の一種)の大生産地だが、収穫しても1キロ=10円ほどの収入にしかならず、農家は貧しい。このため、カセートサート大の教授が、蚕をキャッサバの葉でも育つよう品種改良してできたのがエリシルク。通常の「マルベリーシルク」に比べて繊維に微孔があり、軽量で保温性や保湿性に優れる。抗菌性やUVケア機能もあるという。

 同社では、綿にエリシルク20%の混紡糸(糸染め、トップ染め)を生産。1キロ=25~30ドルで販売する。最低ロットは1色600キロ。日本の大手ライフスタイルチェーン店が丸編み製品で既に採用している。「捨てられていた葉(無農薬)を餌にする。農家が少しでも豊かになり、持続可能な栽培ができる」サステイナブルな素材と言う。

 ブンチュワイ・インダストリアル社は織布・染色・生地貿易までの一貫企業。合繊、再生セルロース繊維、綿、シルクを素材に月産400万㍍の染色能力を持ち、撥水(はっすい)、防炎、抗菌加工のほか防蚊加工も行う。「5年ほど前からベトナムの日系企業から素材調達で引き合いが増えている」ようだ。

 縫製のピープルズガーメント社は水着、パンツ、ポロシャツなどを生産。最低ロットは600枚で、「中国をやめて、タイに依頼する日本の顧客が増えてきた」と話す。テパルーン社はジーンズを生産。レーザー加工も施す。ミャンマーにも2015年に進出。「人件費が安く、労働力も豊富。関税がかからないメリットもある。競争力は高くなったが、米中摩擦問題で中国が日本市場にシフトするのが心配」としていた。

 これらの企業は今日30日まで東京都港区のベルサール御成門駅前で開かれている「第3回タイ国ガーメント・テキスタイル展示商談会」(タイ大使館商務参事官事務所主催)に出展している。