担当者に聞くユニフォーム最前線 (16)

2019年01月31日(Thu曜日)

ナカヒロ 社長 糟谷 吉彦 氏

新規事業を3本目の柱に

  ――2018年11月期を振り返っていただくと。

 若干の減収でした。売上高の約6割がビジネス部門、約4割がスクール部門によるものです。

 ビジネス部門では、官需事業が減収となりました。警察市場の調達数量の減少が大きかったことが売り上げに響きました。消防市場については、消防団の活動服や消防吏員の需要が前年に引き続き好調だったのですが、警察市場での減少を補うまでには至りませんでした。

 一方、民需事業は増収です。年初にサービス市場で大口物件を獲得し、その後もワーキング市場で大口物件の受注が進みました。オリンピック特需については物足りない結果となりましたが、今後に期待しています。

 スクール部門では、昨年春の中学・高校の入学者数が前年比6万6千人減った影響で業界全体に流通在庫が増加傾向となったため、主力の生地販売は減収でした。しかし、製品OEMやニッケスクールセーターの販売が伸び、スクール部門全体ではほぼ前期並みの売上高を確保できました。

 新規事業として一昨年から取り組んでいる防炎性能に優れたPBI(ポリベンゾイミダゾール)繊維を使った難燃素材の販売は、大幅に増やすことができました。大都市だけでなく、周辺都市や地方にも浸透しつつあります。

 パートナー企業と連携した地道な消防ラウンド活動が着実に実を結んでいます。ニッケグループのニッケプロテクティブマテリアルズ(旧杉本織物)製の防刃生地「P―テックス」も、防刃手袋、防刃ベストや特殊工事用防護衣素材として販売実績を上げてきています。

  ――19年度の課題は。

 スクール部門ではニッケの戦略素材である家庭洗濯可能なウール高率混生地「ミライズ」の拡販に引き続き注力するとともに、新素材の提案・販売にスピード感を持って取り組みます。原料の高騰、資材・物流コストや人件費の上昇が収益性に大きく影響しており、喫緊の課題として対応策を打ちます。一方で、学生服の持つ価値観の維持・向上に向けての活動にも積極的に取り組む必要があります。

 ビジネス部門の民需事業では、オリンピック関連の顧客との接点を今まで以上に強化し、素材、製品を含めた総合的な提案力で新規物件の獲得を図ります。官需事業では、消防市場の活動服、防火服などを中心により一層の拡販を図ります。

 新規事業を3本目の柱にすることにも取り組みます。PBI繊維を使用した防火服の採用拡大に向けて、今年度調達が見込まれる消防本部への営業活動を集中的に行います。P―テックスについては、官需、民需の両分野で本格的な販売につなげるとともに、手袋、被服以外の用途へもチャレンジします。

(毎週木曜日に掲載)