メーカー別 繊維ニュース

特集 19春夏 オフィス&サービスウエア(6)/エコ素材の開発進む/素材メーカー編

2019年01月31日(Thu曜日) 午後3時36分

 世界的な環境意識の高まりを受けて、メーカー各社はエコ素材の開発を急ピッチで進めている。19秋冬向けのユニフォーム素材でも再生ポリエステルの利用が増えてきた。ユニフォームを着用する企業も環境への関心が高まっているため、今後は採用が広がりそうだ。

〈機能の「見える化」進める/東レ〉

 東レの2019年3月期のオフィス、サービスウエア向け素材の売上高は前年並みで動く。食品工場白衣やホテル向けの素材がけん引する。

 オフィス用途ではシワになりにくい「マニフィーレ」を重点素材に据える。スカートなどのボトムスに使えば、座りジワを軽減できる。サービスウエアは防透性が高い「ボディシェルEX」、婦人衣料向けの夏の清涼素材「リランチェ S2」もユニフォーム用途として提案する。

 同社は昨年の機構改革で、テキスタイル事業部門に機能製品、婦人・紳士衣料、スポーツ・衣料資材の各事業部を置き、素材開発を進める。機能製品事業部東京ユニフォーム課の浅井英課長は「情報を共有することで完成度の高い商品ができている」と成果を話す。

 素材が持つ機能を顧客に分かりやすく伝える取り組みも進める。昨秋のユニフォーム総合展では、素材開発拠点「テクノラマGⅢ」のバーチャルリアリティーなど多くのビジュアルを活用した。サトウキビの廃糖蜜を使った「エコディア」が、布帛になるまでの過程もパネルで説明した。

〈環境配慮素材が好評/ニッケ〉

 ニッケは19秋冬、春夏に続き、ユニフォームが持つ機能性と役割に焦点を当てる。ビジネスユニフォーム素材の商談会では、植物由来のポリエステルとウールを混紡した環境配慮素材「ニッケプラビオ」と、戦略素材「ニッケミライト」を製品で紹介した。

 東京五輪・パラリンピックを前に、上質感のあるウールは交通、高級ホテルを中心に受注が増えている。商談会では展示の仕方を工夫した。以前は生地の展示がほとんどで、顧客がイメージをつかみにくかったが、ジャケットやパンツなど製品にして見せることで、素材の良さを実感してもらう。衣料繊維事業本部ビジネス販売部の細田直樹部長は「実際に腕を通し、着心地や仕立て映え、ウールの上質感を感じてもらえる」と説明する。

 秋冬の商談会では、ミライトを使ったレディーススーツを紹介した。プラビオは、アシンメトリーなジャケットで見せ、高級感や親近感を求められるホテル向けを意識した。いずれもストレッチ性が高く、大きな動きにも対応する。

 同社は4月から、ビジネスユニフォーム用の生地を7年ぶりに10%値上げする。前回値上げした12年に比べ、羊毛原料は6割超上昇し、過去最高水準にある。厳しい状況の中でも、細田部長は「ミライトのバリエーションを増やすなど開発を進めたい」と前を見据える。

〈働く女性、機能で支える/ユニチカトレーディング〉

 ユニチカトレーディングは女性が働きやすいユニフォームの素材開発を進める。医療機関や接客業、建設など働く場所に合わせた素材を提案する。

 接客やサービス業向けにはクーリング性に優れた機能性繊維とウールを合わせた熱遮蔽(しゃへい)ストレッチ素材「サラクール・エブリー」、新たに開発した発色性が高く軽量な「ヴォル」を打ち出した。

 医療サービス向けには、3層構造のポリエステルで防透性が高い「クールアート20」、工業洗濯対応で、汚れに強い「ナノアクア」を重点素材として打ち出す。ナノアクアシリーズでは、泥や粉末汚れに強い「ナノアクアMD」を開発した。

 東京五輪・パラリンピックに向けて市場が拡大する飲食業向けの素材では、杢(もく)調やかすり調の独特な表面感が出る「ファナトーン」を展開する。

 エコ素材の開発も進める。昨秋開いたユニフォーム素材展では、ケミカルリサイクルポリエステル糸を紹介した。ケミカルリサイクルは、使用済みペットボトルなどをポリマーの段階にまで戻して紡糸するため、長繊維として活用しやすくなる。

 ユニフォーム営業部の新居康司部長は「撥水(はっすい)などの機能を持たせることで提案に幅が広がる」と期待する。

〈「SDGs」をテーマに/帝人フロンティア〉

 帝人フロンティアは、19秋冬のユニフォーム素材のテーマに、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」を据えた。環境や安全に配慮した素材の開発を進め、快適なユニフォームを提供する。

 オフィスウエアでは、ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」を提案する。オフィスやメディカルウエアなどユニフォームでも使われる素材だが、バイオ由来原料ということは意外と知られていない。紡毛調などバリエーションも増えている。

 環境配慮の素材として、植物由来原料を使った「プラントペット」も提案する。保温性が高く、省エネに効果がある「エルゴライト」も重点素材に据える。

 19秋冬の内見会ではオフィスウエアの定番素材「トリクシオン」を新しい柄で紹介した。サービスウエアでは、食品工場向けのキャップの提案で「ナノフロント」を初めて採用した。ゴルフのグローブに使われる滑りにくい素材で、異物混入を防ぐ。

 野球やラグビーといったスポーツウエア向けの素材「パズモ」は、糸に太さや伸縮性を持たせて、ワークウエア用の生地に仕上げた。