明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編④

2019年02月01日(Fri曜日)

カーテン地加工の中核工場へ

 染色受託加工の艶栄工業(愛知県蒲郡市)は創業100年を超える老舗メーカーだ。長年蓄積した高い技術力で顧客のニーズに対応した加工を開発してきた。今期(2019年11月期)に5カ年計画をスタートさせ、設備投資や人材の拡充を図る。嶋田義男社長(73)は「カーテン地加工の中核工場となる」と意気込む。

 1913年、「艶栄整理工場」として創業し、戦後間もない48年に株式会社として法人を設立。当時は綿ネルや綿スフの整理加工を手掛けていたが、52年に合繊素材の加工を始めた。現在主力とするインテリアやカーテン地の加工は66年から開始。その翌年には合成皮革基布の加工も始めるようになり、今の会社の基礎を形作った。

 カーテン地の加工で同社の代名詞とも言える「SHS加工」は7年前に開発。独特のボリュームと膨らみ感を付与できるのが特徴で、当時、他産地では難しい加工だった。営業部長だった嶋田社長は「繊維のセオリーではできない加工。1年がかりで開発した」と振り返る。何とか商品化にこぎ着け、その後は爆発的にヒット。現在でも人気が続いている加工の一つになった。

 その半面、中国から安価なカーテンが流入するようになり既製カーテン地の一大産地だった三河は大きな打撃を受けるようになる。オーダーカーテン地の生産に切り替えるもカーテン需要は減少。「社長に就いた時は赤字体質で会社を畳もうかとも考えた」。ただ、徹底的な財務分析とコストカットをして赤字体質を改善してきた。

 赤字の状態を脱すると、積極的な設備投資を進めた。生産性向上や効率化を図るのはもちろんだが、「古い設備を使い続け商品価値を低下させることは避けたかった。新たな設備を入れることで次の商品開発にもつながる」からだ。前期までで染色機などを数台増設・更新を図った。

 今期も引き続き設備投資は実施する方針で、5カ年計画に沿い、工場内の高圧線を張り替えるほか、SHS加工の仕上げ機、連続精練機などを導入する。現在の工場が市内中心部にあるため地域住民や環境を配慮し、将来的には移転も視野に入れる。さらに、3年前に設置した鹿児島県のリクルート事務所を中心に人材の確保にも力を入れる。

 かつては合成皮革基布の加工が多かったが、カーテン地の加工を増やし、今では売上高の55%を占める。カーテン需要が減り、染料や運賃などのコストが増加する中、「厳しい中でどう戦い、生き残っていくかを考えていきたい」。

社名:艶栄工業株式会社

本社:愛知県蒲郡市宝町2‐29

代表者:嶋田 義男

主要設備:起毛機13台、乾燥機4台、常圧液流染色機1台、連続染色機1台、高圧液流染色機15台、タンブラー乾燥機8台、ニドム加工機4台など。月産能力60万㍍

(毎週金曜日に掲載)