産地の1~3月を読む⑦

2019年02月05日(Tue曜日)

富士吉田 厳しさの中にも光

 山梨県富士吉田市の業況(西桂町を含む)は、全般的に見ると「良くない」(山梨県絹人繊織物工業組合)流れの中にある。ジャカード裏地に動きが見られるものの、ネクタイやインテリア関連などは低調に推移している。撚糸工場の減少や原材料費の上昇も重なって、2月以降も厳しさが続く気配。

 裏地は、オーダーメード市場の拡大を背景に、特にジャカードが健闘を見せる。ドビー裏地は昨年10~12月が底堅く推移したが、ここに来て動きが止まりつつあるといわれている。「撚糸工場の減少で糸の供給が遅れ、生地生産に遅れが生じることがある」との話も聞こえてくる。

 ジャカードを中心に裏地が比較的堅調な推移を見せる一方で、他の分野は勢いを欠く。ネクタイは、クールビズの定着による需要減の中で苦戦を強いられている。傘地も少雨の影響などもあって目立った動きは見られない。ネクタイと傘は、自社製品販売を伸ばしている企業も見られる。

 インテリアは昨年9月以降低調だったが、12月になってから注文が入り出した。一方で座布団地は盛り上がりが感じられず、「ゴールデンウイーク前にどれだけ注文が入るかが鍵」(織布メーカー)になる。

 ただ、各社が前向きに販路開拓に取り組むなど産地の雰囲気は悪くない。

 フランス・パリのオペラ座バレエ団に所属するバレエダンサーの舞台衣装に富士吉田市と西桂町の企業8社の生地が採用された。同バレエ団のエトワール(最高位の踊り手)が計画している日本公演で着用される可能性もある。