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アパレル総合特集(3)/アパレル総合19春夏~ネクストトレンド~メンズ編

2018年11月26日(Mon曜日) 午前11時47分

〈オンワード樫山「ジョセフ アブード」/色数、パターンで「攻め」の構成〉

 オンワード樫山は、メンズ「ジョセフ アブード」19春夏企画で前期比2・5倍の色数を投入する。ジャングルを想起させるパターンやカラーが豊富にそろうほか、プリントアイテムで店頭を構成する。さらに、ジャングルから派生したカジュアル企画として、サファリジャケットや渇いた素材感のブルゾンなども投入する。

 同社では「カジュアルゾーンでは独創性を重視した。麻やコットンリネン素材のセットアップも展開する」と企画の趣旨を語った。これだけの色数、パターンを取り入れるメンズブランドは珍しく、6万~7万円台のトップスを主力に独自の世界観を打ち出す。アクセントにはオレンジ、レッドを差し込み、ウッド什器(じゅうき)や造花でアイキャッチを引くVMDを組む。

 5、6月の父の日商戦では、すっきりとしたシルエットのシャツ、ポロシャツ類を提案し、スカーフを織り交ぜたセット買いを促す。一方、ドレスジャケットやパンツ類では、高品質な素材を採用し、30~40代のファッション感度の高い男性へ訴求する。

〈三陽商会「ポール・スチュアート」/盛夏商戦まで見据える〉

 三陽商会の「ポール・スチュアート」は19春夏、ソフトで美しいカラーリングを駆使し、洗練された上品上質なブリティッシュアメリカンクラシックを表現する。

 スーツはより盛夏まで見据え、平織り素材やカラーの構成比を見直し、引き続き強化する。天然素材をベースにした機能性ビジネスウエアカテゴリー「スチュアーツトラベラー」は、生産を前年比60%増に拡大する。トラウザースも新しくウオッシャブル製品を投入し、トップスバリエーションとともに、盛夏のビジネススタイル提案を強める。ゴールデンウイーク明けからの展開も増やし、昨年不足した軽量の羽織り物を中心に、セール期のプロパー販売を増やしていく。

 アイテムではラミーの清涼感と光沢感に加え、伸縮性もあるラミージャージージャケットを2月に展開。3月には伸縮性の高いシアサッカーを使用したニットサッカーライトジャケットを提案する。スチュアーツトラベラーではウールベースでシワになりにくいハウンドトゥースジャケットを投入する。

〈日登美「ヴァンプス」/潜在的な欲求にRED LABEL〉

 日登美は、メンズカジュアル「ヴァンプス」19春夏企画で、独自性を強めたMDを採用する。小松マテーレと協業したインクジェットプリントのジャケットやサッカー地の軽量シャツなど、表面感のある単品が豊富にそろう。

 同社では「潜在的な欲求を持つ45~50代男性に向け、都会的でシャープなデザインを用意する」とコンペティターと差別化した経緯を語った。洋品主体の商品構成でカットソー類も拡充する。さらに、5シーズン前から投入している個性派のRED LABELでは、カットジャカードのシャツなどを投入する。

 RED LABELは大人の社交場に対応できる商品で、同社では「前年の春夏シーズンと比較し、(RED LABELの)品番数は倍増している。勝負服として着てほしい」と言う。同ブランドがターゲットにしている層は、バブル期に社会人になって消費を謳歌(おうか)した世代に当たる。この世代は主観的に服を選ぶ傾向にあり、価格よりも本物志向のアイテムを選ぶといわれる。

〈ジョイックスコーポレーション「ランバンコレクション」/上質カジュアルに強み〉

 ジョイックスコーポレーションは、ラグジュアリーなモチーフを展開するメンズ「ランバンコレクション」19春夏企画で、カジュアル品番を拡充する。シーズン企画全体の6割程度までカジュアル品番の比率を高め、光沢ブルゾンやパーカ、リネン素材のジャケットなどを投入。ワーク系やスポーツ、ミリタリーの要素を盛り込んだ品番が特徴になる。

 同社では「上質なフレンチカジュアルを表現する。テーラーリングをベースにしたカジュアル商品も並べる」とし、ブランドの基盤であるシックなデザインをベースに特徴的なパターンで店頭を演出する考え。草木と動物をモチーフにした図柄のシャツやダブルブレストのモッズコートなども並べる。

 ストレッチ素材のジャケットは芯地を使わず、軽量なアンコン仕立てを採用した。同ブランドの主力購買層は50~60代男性で、百貨店販路を軸に46店舗を持つ。多くの固定客を獲得しているスーツでは、パターンオーダー(PO)の完成度をアップさせる。POはスーツが18万円から、ジャケット16万円から。

〈フレックスジャパン/通勤スタイルの変化に対応〉

 フレックスジャパンは、通勤や着こなしの変化に対応したビジネスシャツを提案する。この数年は英国調のトレンドが続いているが、スポーツやカジュアルの要素が加わりつつある。特にスポーツは健康志向の高まりなどから積極的に取り入れられており、そうした流れに即した商品展開で需要を取り込む。

 その一つが通勤にバックパックを利用する人に焦点を当てた機能性シャツで、ワークウエアなどにも用いられる「コーデュラナイロン」を採用した。同素材は摩擦に強く、ショルダーの上下運動にも耐えられる生地強度を付与するほか、形態安定性も持たせた。

 バックパックへの対応では、ポリエステル・綿混シャツも商品化している。高密度に糸を打ち込んでいるほか、加工にも工夫を凝らして生地の強度を高めた商品で、汗染みなどを抑制する特殊加工も施した。そのほか合成繊維を使ったスポーツ系ビジネスウエアも充実している。

 19春夏では出張に特化した商品をラインアップする「トラベリスト」の本格展開も始める。

〈山喜/「夏長袖」を強化〉

 山喜は19春夏の百貨店向け商品で長袖シャツを強化する。自社調査で夏のビジネスシーンでの長袖の着用率が半袖を上回ったことから「CHOYAシャツ・ファクトリー」「ロードソン」など各ブランドで夏長袖を展開する。

 洗濯や取り扱いの楽さ、快適性はもはや必須条件。通気性が高くドライタッチの「クールコンシャス」、吸水速乾性の「エアクロクール」「クールマックス」といった機能素材で、イージーケアで快適なスタイルを提案する。

 一方で天然素材の魅力も取り入れた。細番手の糸の撚り係数を通常より多くしたボイル糸、見た目にも涼しいカラミ織り、コットン・リネン、などの素材を積極的に採用。ジャケットやネクタイが必要な商談やプレゼンで、ひきしまった印象と爽やかさを演出する。

 ドレスカジュアルシャツ「ブリット」はリネンやシアサッカー、鹿の子ボイルニットなどの天然素材を採用。人気のポリエステルなど合繊を使用したイージー・セットアップスーツに、シャツとのコーディネートできちんと感を出す。

〈太陽繊維/素材にこだわって提案〉

 紳士ドレスシャツ生地商社の太陽繊維(大阪市中央区)は、19秋冬の提案では発熱をはじめとする機能性ではなく、素材にこだわった展開を進める。超長綿使いを中心とし、「エジピュア」やギザ綿などの積極的な打ち出しを図る。

 エジピュアは毛羽の少ない均一な品質やシルキーで膨らみのある肌触りといった特徴を持つ。19秋冬ではのりを付けずに製織した生地(平織り限定)を投入する。太陽繊維によると「製織が難しく、1日に70~90メートルしか織ることができないが、仕上がりに原材料の良さが出る」と言う。

 ギザ綿の生地は、経糸に70番双糸を、緯糸に70番単糸を用いる。さらに打ち込み本数にも工夫を施すことで、奇麗なストライプを表現することができる。「70番双糸使いの生地が一番仕立て映えする」とし、「マスターシード」も復活する。

 19春夏の販売は、シャツ市場が勢いを欠く中で、前年並みの数字を確保した。校倉作り構造組織による「アゼック」や涼感性に優れた「クールマックス」などが底堅い動きを見せた。

〈トピックス/ネクタイメーカー/多様な仕掛けで需要喚起〉

 ネクタイの市場は厳しさが続いている。クールビズの定着や働き方の変化などが大きな要因で、織布企業は19春夏物について「産地全体の生産量で言うと例年よりも15~20%少ないイメージ」と話す。市場の「劇的」な回復が見込めない中、ネクタイメーカー各社は多様な仕掛けで需要喚起を図る。

 永島服飾(東京都中野区)は、英国出身のアーティストであるラビンドラ・ダンクス氏のデザインを配した商品の販売を開始した。ハートのアーティスト“ハーティスト”と呼ばれるダンクス氏の作品には無限のハッピーが込められ、展開商品にもその世界観を反映した。ネクタイやストール、Tシャツなどがそろう。

 マルゴ(東京都中央区)は、ベトナムの協力工場で生産したネクタイの提案を強化する。高度な商品の展開が主となり、セッテピエゲ(七つ折りネクタイ)を投入。19春夏物では三つ巻き仕様の展開も可能にするなど商品力を高めている。千代田ネクタイ(東京都台東区)は、柄にQRコードを配したネクタイの展開を始める。