メーカー別 繊維ニュース

進撃のステージへ メーカー系商社のいま(2)/東洋紡STC/垂直・水平連携で総合力発揮

2019年02月26日(Tue曜日) 午前11時10分

 東洋紡グループは2018年度から21年度までの中期4カ年計画に取り組んでいる。東洋紡STCは中計を通じ、売り上げ拡大を追わず収益拡大を優先させる方針で、今のところ「ほぼオンザラインで推移させている」(西山重雄社長)。

 先に東洋紡が18年4~12月期連結決算を発表。繊維・商事部門は中東向けトーブの輸出で苦戦を強いられたものの、営業損益を前年同期の赤字からほぼ収支とんとんまで浮上させた。東洋紡STCの場合、例年、1~3月期に利益が集中する事業構造となっているため、通期では営業黒字に浮上すると見込んでいる。

 同社はスポーツ、ユニフォームを主力に展開しており、海外製品の持ち帰りのウエートが高く、諸経費の高騰で利益が伸び悩んだ。販売数量では「予算を達成できた」と言い、今後も海外拠点を駆使した取り組みで成長路線を維持したいという考えを持つ。

 昨年9月、敦賀工場の火災の影響でダウンウエア向けナイロン長繊維「シルファインN」の生産がストップしていた。しかし、技術者を派遣し進めてきた、協力工場に委託生産してもらうための作業にめどをつけており、19年度も販売増を目指す。

 昨年11月に開いた東洋紡グループ繊維総合展が好評だったため、今後も継続的に開催していく。

 最近は、寝装・寝具メーカーから同社のスポーツ素材、インナー素材への問い合わせが来ると言う。スポーツアパレルからユニフォーム素材を求められることも多くなってきた。これらのニーズに応えるため、今後もグループとしての垂直・水平連携を強化し、あらゆる素材を保有する強みを発揮したいと考えている。

 苦戦が続く中東向けの輸出。18年度上半期はかなり抑えた予算で臨んでいたため、「予算は達成したものの、想定していた以上に市況の回復が遅い」とみて、しばらくは市場の推移を静観する。

 同社にとっての課題はエコ素材の打ち出し。「生分解性素材のような環境配慮型の商材を持っていなければ今後の生き残りはない」との危機感を示しており、全社的な取り組みでエコ素材の開発を加速する。

 機能材事業は中計通りのペースで拡大を続けており、耐切創手袋向けのスーパー繊維の販売が引き続き好調に推移している。