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特集 スクールスポーツ(2)/スクールスポーツ事業トップに聞く/19年入学商戦方針

2018年12月17日(月曜日) 午後2時47分

〈菅公学生服/開発本部提案企画部長 田北 浩之 氏/シンプルでスタイリッシュ追求/「カンコープレミアム」採用拡大〉

  ――2018年7月期の体育着の売上高は前期比3・7%増の95億円と過去最高でした。

 今年の入学商戦では地域密着で営業活動をしてきた効果が出たことで、小学校、中学校、高校とも新規採用校が見込み以上に増えました。

  ――一方で採用校の増加で協力工場の活用が増え、生産コストの上昇が収益を圧迫しました。

 一度採用を決めてもらうと数年はリピートが続き、年間の生産計画に落とし込めるので、来年は今年のようにはならないと思います。

  ――来入学商戦に向けての商況は。

 昨年の総合展で初めて披露した「カンコープレミアム」の採用が東京や名古屋、大阪の大都市部を中心に堅調に増えています。これまで当社は別注が多かったのですが、プレミアムに限っては定番での採用率が高くなっています。シンプルでありながらもスタイリッシュで、スポーツブランドにもひけを取らない機能やデザイン性が評価されているのだと思います。

 今まで当社の体操服はデコラティブなアプローチが多かったのですが、シンプルな路線へと転換しつつあります。11月から今月にかけて各地で開いた「カンコーソリューションフェア」では、新たに中学校、小学校をターゲットにした「カンコーノームコア」を打ち出しました。

 普遍的なデザインと多彩な素材バリエーション、学校要望をかなえる2次加工のマーキングシステムの3段階の選択を踏むことで、それぞれの学校に合ったシンプルで飽きの来ないデザインのウエアを供給することができます。

 「カンコーファイテン」「リーボック」も新商品を投入し、学校の幅広いニーズに応えていきます。

  ――20年には東京五輪・パラリンピックが開かれます。

 五輪・パラよりも教育環境そのものが変わりつつあり、その影響の方が大きくなると考えています。教育ソリューションを通じて学校へのアプローチを強める中、学販スポーツの提案の仕方も変わってくる可能性があります。新しい取り組み先も増えつつあり、より生徒が喜ぶような定番商品のラインアップを充実させていきます。

〈フォーカス/スクールソリューションフェア/学校の未来見据える〉

 菅公学生服は11、12月に「スクールソリューションフェア2019」を東京や大阪など主要都市で開いた。スクールスポーツでは「カンコー」ブランドを中心に最新のウエアを披露したほか、学校の未来を見据えた教育プログラムも紹介した。

〈「カンコープレミアム」/多角な視点での開発〉

 「カンコープレミアム」は、多角な視点で開発され、スポーツブランドに負けない機能とデザインを兼ね備えた新しい体育着として昨年、発表。学校からの引き合いが増え、来入学商戦までに40校以上が採用している。

 実用新案の高機能カッティングの「4Dシンクロムーブ」を採用した90シリーズをはじめ、3ラインを展開。防風や保温、耐久、軽量、コンパクトといった機能を持ち合わせるオリジナル素材「グランガード」を採用し、本来持つべき機能を追求した。

〈「カンコーノームコア」/求められる“究極の普通”〉

 中学校、小学校市場向けの新ブランド「カンコーノームコア」が登場。ノームコアとはファッション業界の造語で“究極の普通”を意味する。3段階の選択によってオリジナルの体育着を供給する仕組みを構築した。

 デザインでなくスタイルをまず選択。着用シーンや環境に応じて、ウオームアップやミドルレイヤー、シャツ、ハーフパンツ、ウインドシェルジャケット(防寒着)といったアイテムに合わせ、さまざまな機能素材を次に選択する。最後に2次加工マーキングシステムによってマークやデザインで学校のオリジナリティーを表現できる。

 ウエアにはトレンドのシルエットを取り込むなど、新しいニーズやエッセンスを取り込みながら採用校の獲得につなげる。

〈教育プログラム/「部活のチカラ」始動〉

 「カンコーファイテン」では16年に発表したX30シリーズの追加企画として、30倍の濃度のX30(アクアチタン効果)に加え、再帰反射のデジタルプリントを部分的に入れ、視認性向上とデザイン性を高めたウエアを投入。「リーボック」ではカムフラージュ柄をあしらった斬新なデザインのウエアを打ち出した。

 今年3月、スポーツ庁で「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」が策定され、今後の部活動の在り方が問われている。菅公学生服は「部活のチカラ」として、部活動の意義を見詰め直し、今以上に価値ある活動にしていくためのプログラムを開発した。

 生徒のモチベーションアップやチームの体制づくりにつなげるために、ワークブックを活用した教育プログラムを来年4月に本格始動させる。部活動も“ヒトづくり”の重要な機会と捉え、独自プログラムによって、生徒のアイデンティティーを育む。