インド縫製業/エチオピアで商機(前)/欧米の関税免除を享受

2019年02月28日(Thu曜日) 午前11時45分

 インドの縫製企業の間で、エチオピアに生産拠点を設ける動きが加速している。主要な仕向け先である欧米市場に対して無関税で輸出できることや、人件費の安さが魅力だ。インドの衣料品大手、アービンドとレイモンドのエチオピア法人に、同地で生産するメリットや進出に至った背景を聞いた。

 海外からの投資誘致を担うエチオピアの政府機関、エチオピア投資委員会(EIC)によると、1992年以降にインド企業が同国で実施した縫製関連のプロジェクト数(他国・地域との合弁事業を含む)は累計40件に達し、国・地域別で中国の180件に次ぐ第2位となっている。アービンドはスウェーデンのファストファッションブランド「H&M」や米アパレル大手PVHなどの衣料品を、レイモンドはビジネススーツを現地で生産。2社のほかにもインドの化学メーカー、カノリア・ケミカルズ・アンド・インダストリーズがジーンズ工場を設けるなど、相次ぎエチオピアで衣料品の生産を始めている。

 欧州連合(EU)は、武器以外の全品目を数量制限なしに無関税でEUに輸出できる「EBA協定」によって、米国は「アフリカ成長機会法(AGOA)」によって、エチオピアからの輸入に対してそれぞれ関税を免除している。レイモンドのエチオピア法人トップを務めるシャシ・ブーシャン氏によると、「インドからスーツを輸出する場合、米国では27%、EUでは17%の関税がかかる」ため、インド生産をエチオピア生産に切り替えることで得られるコストメリットは大きい。

 衣料品メーカーにとって欧米は主戦場だ。インドのコンサルティング会社ワジール・アドバイザーズによると、世界のアパレル市場に占める割合はEUが38%、米国が15%。アパレル商品の年間輸入額はEUが2920億ドル、米国が1160億ドルに達している。〔NNA〕