進撃のステージへ  メーカー系商社のいま⑥

2019年03月04日(Mon曜日)

帝人フロンティア 「ソロテックス」をグローバルブランドに

 帝人フロンティアの繊維素材本部は、原料売りとスポーツや婦人ファッション、ユニフォーム向けのテキスタイル販売に取り組んでいる。

 2018年度(19年3月期)上半期はスポーツの輸出で大幅増収を達成した。ユニフォームや婦人でも販売数量増を確保したものの、期中の原燃料高騰などによるコストアップで「利益は伸び悩んだ」(東政宏繊維素材本部長)と言う。

 同社は17年度からの中期3カ年計画に取り組んでいる。この2年間を振り返ると、用途によって凸凹はあるものの、「さまざまなコストアップを何とか拡販で薄めてきたのが現状」との認識を示す。

 この間、同社は原糸から製品に至る最適なサプライチェーンを構築し、きめ細かな顧客対応を徹底するための取り組みを進めてきた。

 その典型がポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」の業績に現れている。ブランド戦略にも力を入れながらソロテックスの普及・浸透と取り組んできた結果、ここに来て「婦人ファッションを中心に指名買いが増えてきた」。海外メーカーに技術指導し委託生産するソロテックスを日本、中国、香港、インドネシア、タイ、米国、欧州連合(EU)に構える帝人フロンティアの各拠点が「一丸となって拡販と取り組めるのがうちの強み」になっている。

 ソロテックスを「グローバルなブランドに育成することが他社PTTとの差別化につながる」との考えから、今後も「プルミエール・ヴィジョン」などへの継続出展や海外を対象とするブランド戦略を強化する。

 19年度以降はソロテックスと高付加価値ポリエステル「デルタ」を複合した戦略素材「デルタSLX」でスポーツ分野を本格的に開拓するとともに、資材用途の掘り起こしにも力を入れ、ソロテックストータルの売り上げを100億円台に乗せたいと考えている。

 中国やタイに構える拠点と国内生産との連動で「高品質な素材群を3極で作れる体制を構築してきた」と言う。19年度はこのグローバルな体制をフル回転させ、国内外で新しいサプライチェーンの開拓を加速する。

 ここに来て国内からも引き合いが強まっているエコ素材の拡販も重視しており、ペットボトル再生「エコペット」、バイオPET(ポリエチレンテレフタレート)「プラントペット」によるモノ作りを強化する。カーシート向けの販売を先行させてきたプラントペットを19年度からユニフォーム素材にも導入する。

 「環境を外した素材は売れなくなると最近はひしひしと感じさせられる」と言い、今後もあらゆる機会を捉えて同社のポリシー“シンク・エコ”を訴求し、婦人ファッションにも糸売り、生地売りでエコ素材を普及させる。