糸から見る潮流/第16回ジャパン・ヤーン・フェア①

2019年03月07日(木曜日)

サステイナブル商品多数/原料や製造方法アピール

 愛知県の一宮市総合体育館で2月20~22日に開かれた国内最大級の糸の展示商談会「第16回ジャパン・ヤーン・フェア」(JY)。全国から62社3団体が出展し、技術や強みを生かしたさまざまな商品を展示した。その一つとして多かったのがサステイナビリティー(持続可能性)。各社の商品を中心にその動向を探る。

(川口直康・西田貴夫)

 サステイナビリティーは欧州を中心に広がりを見せ、日本国内にも確実に浸透している。特に繊維の川上・川中分野では顕著で、今回のJYではそれを端的に示した。出展した多くの企業が、原料や製造方法などでエコやエシカルをうたった商品を提案した。

 宮田毛織工業(愛知県一宮市)は製造工程でのエコを意識した天日干しの商材のほか、草木染めの生地などを提案した。ニット専業の染色整理加工を手掛ける木曽川染絨(岐阜県笠松町)も草木染めを訴求。担当者は「植物由来の染料100%で染めるため色ぶれもあるが、あえて一点物の商品としてアピールする」と語る。サイボーは植物由来エチレングリコールを用いたポリエステルを紹介した。

 エコやエシカルなど綿の栽培方法に着目した企業も。龍田紡績(兵庫県姫路市)は持続可能な綿花栽培を推進する「BCI(ベター・コットン・イニシアチブ)」、近藤紡績所(名古屋市中区)は水や農薬の使用量を抑えて生産する豪州産の綿「BMP(ベスト・マネジメント・プラクティス)コットン」、信友は2017年に認証を受けた「フェアトレードコットン」をそれぞれ訴求した。

 数あるサステイナブル商品に埋もれないよう新商品や目新しさを紹介する企業は多い。モリリンは新素材の「クールマックス エコメイド」をメインに訴求。東洋紡STCも長短複合紡績糸「マナード」の新タイプとして、再生ポリエステル長繊維を使用した「マナード―SW」を開発、新提案した。

 再生原料を中心とした商品も見られ、共同出展した旭化成と旭化成アドバンスは再生スパンデックス「ロイカEF」を提案した。原料の50%以上が工場などで発生する不使用糸などの再生原料。再生原料使いでは難しいとされるベアヤーンでの使用も可能で、全用途に展開できる点を訴求した。帝人フロンティアは再生ポリエステルを使いながらも、定番糸ではなく中空など各種差別化糸をPRした。ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」も部分バイオ原料使いであることをアピールした。

 「今回展では圧倒的に生分解性ラメ糸『エコラメ』への関心が高かった」と話すのは泉工業(京都府城陽市)。エコラメは、フィルムに木材パルプを原料とするセルロースフィルムを採用した透明タイプ。国内販売も増えてきていると言う。