糸から見る潮流/第16回ジャパン・ヤーン・フェア②

2019年03月08日(金曜日)

高付加価値へこだわりの原料提案

 今回のJYではこだわった原料の天然繊維を打ち出す企業が多かった。ウールやカシミヤ、モヘア、麻など各社が得意とする素材で、そこにプラスアルファの付加価値で他社との差別化を図った。

 ウールを打ち出す中で一つのポイントになったのが産出国だ。東和毛織(愛知県一宮市)は南フランス産メリノや米国産メリノを訴求。それぞれの国ごとでウールの特徴も異なる上に、ストーリー性がうたえるため来場者から人気だった。

 三甲テキスタイル(岐阜県大垣市)はアルゼンチン産の「パタゴニアチュブウール」を出展。過酷な自然環境で飼育されているため、ウールはクリンプが強く空気を多く含み、希少性も高い。同商品も来場者から好評だった。

 希少性で目を引いたのが深喜毛織(大阪府泉大津市)。「ウルグアイ ハイブリッド ウール」「パフィー ポロワース」「スーパー・ジー・28」といった希少価値の高いウールをそろえた。さらに、羊の毛のナチュラルカラーを生かしたブラックメリノも提案した。カラーはダークブラウンで産出される量が少ない。

 展示会で来場客は目新しい物を求める。大津毛織(同市)は目新しい素材としてウール・綿・ナイロン混の紡毛糸「コットンジロンラム」を打ち出した。重たいというイメージがある綿だが、紡毛で風合いのソフトさを追求し、来場者から高い評価を得ていた。

 原毛価格高騰の影響からか来場者からは高級獣毛の引き合いも多かったようだ。

 東洋紡糸工業(大阪府忠岡町)はカシミヤを中心に加工で付加価値を高めたさまざまな商品を訴求した。三幸毛糸紡績(名古屋市中村区)はカラフルなグラデーションのアルパカやモヘアのタム糸やスラブ糸を出品しそれぞれ好評だった。