チャイナナウ/中国美術学院 教授 裘 海索 氏/“国潮”のパイオニア

2019年03月08日(Fri曜日) 午前11時59分

 世界に打って出る中国人デザイナーと“国潮”(伝統にこだわる国産ブランドのブーム)。この二つのトレンドに大きな影響を与えてきたのが、中国美術学院教授の裘海索氏だ。これまでの自身の歩みや卒業生の活躍、最近の仕事について聞いた。

(上海支局)

  ――中国美術学院(浙江省杭州市)で教鞭をとって、今年で37年だそうですね。

 文革が終わり、高考(大学入学統一試験)が再開した翌年の1978年、浙江美術学院(現中国美術学院)の工芸学部染織美術設計学科に入学しました。4年間学び、卒業した後も大学にとどまり、生地とアパレルのデザインを教えて来ました。

  ――当時はどんな教育環境でしたか。

 中国ではまだアパレルデザインという概念がほとんど認知されていない時代でした。卒業後の私の最初の仕事はアパレルデザイン学科の立ち上げです。中央工芸美術学院(元清華大学美術学院)のアパレルデザインの専門クラスに通い、その後、中国初となる4年制のアパレルデザイン学科を作りました。

  ――これまで数々のデザイナーを世に送り出しています。欧州で活躍する若手デザイナーの呉昊(「ビウ(BIUU)」創始者)も卒業生です。

 デザイナーブランドを立ち上げる者から、大手ブランドで活躍するデザイナーまで、さまざまな卒業生がいます。中国のデザイナーが世界で活躍する現状を興味深く見ています。

  ――ご自身も生地とアパレルのデザイナーで、若い頃から中国の伝統文化にこだわってきました。昨今は“国潮”がトレンドですね。

 たくさんの“漢服社”(漢民族の伝統衣装の愛好団体)が立ち上げられています。伝統文化を取り入れるブランドも後を絶ちません。国潮は既に中国社会に定着した感があります。

  ――海外のテキスタイルデザイナーとも積極的に交流していますね。

 最近では世界各国の伝統的なパッチワーク生地を研究しています。日本やカナダのパッチワーク生地のデザイナーにも協力してもらっています。