明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編⑩

2019年03月15日(金曜日)

伴染工 尾州で団結してモノ作りを

 尾州産地の伴染工(愛知県一宮市)は、綛(かせ)染め専業の染工場として高い技術力とこだわりを持ち、高品質な商品を供給している。それらを生かし、ファッション衣料だけでなく、産業資材関係の加工も手掛ける。伴昌宗専務(35)は家業を継ぐため2017年12月に入社。「オール尾州で知恵を出し合い一つの物を作っていきたい」と尾州の団結を呼び掛ける。

 親族が経営する生地商の伴商事(現在は廃業)の子会社として1961年に創業した。当初から綛染めを手掛けており、主にニット関係の生地や糸を手掛ける顧客と取引きをしている。20年ほど前からはヘアカラー材の色見本用髪束の染色加工も行い、工場の安定操業につなげる。現在は売上高の2割ほどを占めている。

 ヘアカラー材は同一系統で微妙に色合いが異なるカラーが複数ある上に、髪の毛を透かして見たときの色の出方など、衣料向け以上に色の差異への要求が厳しい。その日の気温や天候によって、染料を数㌘単位で調整することもあり、「極限まで色合わせができる技術と職人のこだわり」で顧客の高い要求に対応する。

 伴専務は同社に入社するまで旭化成アドバンスでスポーツやユニフォーム関係の営業マンとして働いていた。しかし、17年2月に父親の和宏さんが亡くなった時に母親で社長の篤子さんから「継がないのなら会社を畳もうと思う」と一言。自分が生まれ育った会社がなくなってしまうことに寂しい思いが募った。「今の自分があるのも伴染工が存続していたおかげ」。家業を継ぐことを決意した。

 入社したところまではよかったが、繊維という同じ土俵ではあるものの一方は染工場でもう一方は商社。「会社のシステムも規模も全然違うため最初はかなり戸惑った」と振り返る。そんな手探りの中で見つけたのが、主要取引先の一社である丸編み地製造販売の宮田毛織工業(同)とのコラボだった。

 宮田毛織工業は輸出比率が高くサステイナビリティー(持続可能性)の提案に力を入れている。「当社も染色という事業をやっていく上でエコに対する意識はないがしろにできない」と考えコラボした取り組みを実施。これまで染色後の糸は機械乾燥だったが天日干しに変更し、工業としてできるエコ商品として展開している。

 尾州が産地としての規模を縮小していく中、若い世代の結束を呼び掛ける。「現状は尾州内の企業と連携が取れていない。面白い物や良い物を作るために協力し合って、本当の意味での尾州ブランドを構築したい」と意気込む。

社名:伴染工株式会社

本社:愛知県一宮市常願通1-26

代表者:伴篤子

主要設備:スミス染色機16台、乾燥機2台、脱水機3台、月産能力10㌧

従業員数:12人