モリリン〈タイランド〉/タイの“ハブ機能”生かす/内販拡大と素材開発に重点

2019年03月20日(Wed曜日) 午後4時2分

 モリリンのタイ法人、モリリン〈タイランド〉は2019年度(12月期)の重点戦略として、アジア地域の中心に位置するタイの立地や通商条件などを生かし、アジア地域でのサプライチェーン構築によるコンバーティング事業拡大に取り組む。内藤暁伸社長は「タイが“ハブ機能”を果たすことで、インド、ベトナム、中国、インドネシアなどでの調達と販売を拡大する」と話す。

 同社は日本向け糸・生地販売と内販が主力。ただ18年度は日本向けが苦戦した。特にファッション衣料向けの糸・生地販売は日本のアパレル市況低迷の影響を受けたことに加え、バーツ高による輸出競争力の低下も響いた。

 一方、タイ内販は拡大した。同社の売上高に占める内販比率は17年に20%程度だったが18年は50%まで高めることを目標に営業を強化した結果、「目標とする50%に近いところまで到達している」と言う。タイとインドの自由貿易協定(FTA)を生かし、インドから輸入した綿糸をタイの機業・ニッターに販売するビジネスなどが拡大した。このため19年度もタイ内販の拡大とアジア地域全体でのモノ作りによる日本向け素材開発などに取り組む。

 現在、タイ・インドFTAのほか、ASEAN域内の貿易はASEAN自由貿易地域として関税の減免対象となる。さらにASEANと中国の間にはASEAN・中国自由貿易協定(ACFTA)、日本との間には日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)がある。

 こうした通商条件とアジア地域のほぼ中間というタイの立地条件を生かし、「アジア全体のサプライチェーンの中でタイが“ハブ機能”を果たす」ことを目指す。

 例えば日本、インド、ベトナム、中国、インドネシアなどで調達した差別化原料をタイだけでなくベトナムやインドネシアのモリリングループ会社で編み立て・縫製し、モリリンの縫製品事業に供給するビジネスなどを構築する。既に取り組みを始めており、内藤社長は「19年度は成果を数字として具体化させる」と意欲を示す。