山東省展レビュー(後)/方向性は付加価値化

2019年03月25日(Mon曜日) 午前11時36分

 このほど閉幕した「第21回山東省輸出商品展示商談会」の出展者からは、対日の難しさが増しているとの声のほか、自社の機能を磨き、それを付加価値提案としてアピールする姿や、他分野に自社の強みを広げてトータル展開を志向する姿が見られた。

 同国繊維・アパレル大手である山東如意グループの山東如意科技集団は、「日本向け(の拡大)を悲観してはいない」と話す一方、タオルや靴下といった衣料品以外のアイテムへと展開を広げている。今回の出展ブースをアパレルエリアではなく、ホームファブリックエリアに移したこともその一環だった。同社の2018年度の対日は、アパレルは微増収だったものの、タオルは15%増収だった。現在のタオルの月産能力は400㌧だが、23年度には600㌧弱にまで高める計画も持つ。

 対日が売り上げの3~4割を占めるイ坊泰爾家紡は、紳士、婦人、子供服、バッグ、タオル、寝具などをトータル展開できることを強みとしており、「今後も生産アイテムを増やすことで対日を拡大したい」と意気込みを話す。

 初出展ながら「東京インターナショナル・ギフト・ショー」で雑貨などを提案し、対日拡大を狙う信威紡織品の強みは「スピード感」。これに加えて今後の対日拡大には「受注アイテムの拡大が必要」と考えている。「単品では顧客のニーズを捉えきれない」ためと言う。現状の紳士、婦人、子供服、雑貨という受注アイテムに、スポーツやインナーなどを加えていく。

 受注アイテムの拡大、機能系など素材からの一貫提案、品質力向上、デザイン提案――などが同展の出展者から示された対日拡大へのポイント。前提として、小口対応、短納期対応、価格対応も備えるが、人件費上昇や人手不足の問題もあり、これらは限界もある。やはり中国企業が対日ビジネスで進むべき方向性は、総じて高付加価値化、差別化にある。

 「安く作る」ことも大事だが、中国企業の全体の方向性が付加価値化にあるということは、日本側も認識しておくべきだ。そうでなければミスマッチは解消されず、最終的には日本向けの商品を作るところがなくなる。(おわり)