特集 パンテキスタイルフェア東京2019/約14年ぶりの開催/台湾企業32社が最新素材を提案/4月3、4日、テピア(東京都港区)で

2019年03月25日(Mon曜日) 午前11時41分

 台湾の繊維産業連合会、紡拓会(台北市)は4月3、4の両日、東京都港区北青山のテピアで素材見本市「パンテキスタイルフェア東京2019」を開く。計32社のメーカーとコンバーターが出展し、高機能生地や環境配慮型素材、コストパフォーマンスの高いベトナム品などをアピールする。有力出展社14社を紹介する。

 紡拓会は毎年秋、「パンテキスタイルフェア大阪」を開いている。出展企業数は2012年29社だったが、その後毎年増え、18年は近年最多の57社となった。この関心の高まりに対応するため、05年11月以来13年5カ月ぶりに東京展を開く。

 台湾企業が日本市場への関心を高める背景には、20年の東京五輪・パラリンピック開催がある。多くの企業がこれを機に、得意とするスポーツウエア市場の商機が拡大するとみている。今回展でもスポーツやアスレジャー用途の素材が多数披露される。

 もう一つの背景が、欧米顧客のASEANシフトだ。縫製工場が近年、ASEAN地域に移管し、それを追う形で台湾企業を含む素材メーカーもASEANシフトを進めている。こうした中、ASEANに工場を持たない台湾メーカーやコンバーターは、商品を高度化することでASEAN品と差別化し、生き残ろうとしている。その努力がこの数年で実り、商品力に自信を持った企業が日本市場の開拓に動いている。

〈価格競争力ある越製生地/福懋興業(フォルモサ・タフタ)〉

 台湾塑膠工業(台湾プラスチック)の子会社で、合繊織物メーカー最大手。ベトナム生産で価格競争力を高めた、細番手糸使いのナイロン織物などを出展する。メガスポーツブランドから高い評価を得る環境配慮型素材や、ストレッチなどの機能素材使いを訴求する。

 同社の織物事業の18年売上高はスポーツ、アウトドアウエア向けがけん引し、前年に比べ9%増えた。19年も春夏向けの拡大などで好調を維持する構えだ。

 今年はベトナム工場の年産能力を1200万ヤード増やし、約1億ヤードにする。今後もベトナム生産を拡大し、4、5年後にグループ全体の能力を3億ヤードにする計画を持つ。

〈特許の両面ストレッチ生地/達紡企業〉

 インナー、スポーツウエア用途のニット生地メーカー。日本で実用新案を取得する「両面ストレッチ生地」(ポリエステル、ナイロン双方に対応)を前面にアピールする。

 11デシテックス使いの薄地ながら50%以上のスパンデックスを交編し、高いストレッチ性とキックバック性を持つ。さまざまな用途向けの生地をバラエティー豊かにラインアップしている。

 これとは別の11デシテックスナイロン素材も出展する。軽くて薄く、透気、防水、防風などの機能を持つ。ジャケット用途として提案する。

 同社は、2019年末に桃園市の、既存工場のそばで編み地の新工場を稼働する。月産能力を現状の125万メートルから250万メートルに拡大する。

〈再生糸や保湿繊維使い/台南紡織(タイナン・スピニング)〉

 台湾のポリエステル・綿混紡糸メーカー最大手。日本でペットボトルをリサイクルした再生ポリエステル短繊維を使った糸や、コラーゲンを配合し保湿効果が期待できる素材「UMORFIL(ウモーアフィル)」のポリエステル糸をアピールする。

 同ポリエステル糸は、ウモーアフィルを開発した博祥国際と共同開発したもの。服地やシューズのアッパー材向けとして提案する。

 同社は昨年秋に開かれた「パンテキスタイルフェア大阪」に初出展し、日本市場の開拓に乗り出した。日本の顧客は大手商社や縫製メーカーで、ベトナム製リサイクル糸への引き合いが増えている。

〈コーリャンのもみ殻糸/富勝紡織〉

 リサイクル糸メーカーのパイオニア。コーリャンのもみ殻を使った環境配慮型の糸と、リサイクル糸を使った買い物手提げバッグなどを訴求する。

 コーリャンのもみ殻使いの糸は、保温効果と防臭、保湿、UVカットの機能性を持つ。中わたやインナー、靴下用途として提案する。

 リサイクル糸を使ったバッグは、欧州のファッションブランドが既に採用している。台湾の自社工場で生産するペットボトル由来の再生ポリエステルや、廃棄された魚網をリサイクルしたナイロンを使用している。

 同社は1968年創業。2000年代初めに台湾で最も早く、ペットボトル由来の再生ポリエステルを開発した。

〈ストレッチのデニム地など/台元紡織〉

 台湾、ベトナム、中国、南アフリカに製造拠点を持ち、紡績から織布、染色加工まで一貫で展開する生地メーカー。4ウエーストレッチ素材と、環境配慮型素材(精製セルロース繊維「テンセル」リヨセルやインド、パキスタンのオーガニックコットン)を使ったデニム地をアピールする。

 4ウエーストレッチ素材のデニム地は、保温性があり、日本のアウトドアブランドなどに採用実績がある。

 日本向けは、価格優位性と機能性を強みとするベトナム製デニム地が伸びている。

 今回展では、ベトナムで生産する多彩なデニム地を、パンツやジャケットの製品サンプルにして訴求する。

〈超撥水と制菌加工/尚益染整加工〉

 高機能加工を強みとする染色加工企業。日本の大手アウトドアブランドなどから好評の超撥水(はっすい)加工と、SEK赤マークを取得予定の80℃の高温洗濯に耐える制菌加工を前面に打ち出す。

 超撥水加工は、非フッ素系撥水剤を使い、独自技術により120回の洗濯に耐える。

 同社は桃園市に工場を持つ。17年から日本市場の開拓に力を入れており、その一環として17年秋に抗菌防臭加工生地で海外第1号となるSEKマークを取得。まもなく、制菌加工のSEK赤マークも取得する。

 日本市場の開拓は順調に進んでいる。独自の超撥水加工が認められ、大手アウトドアブランドやスポーツブランドとの取り組みが始まっている。

〈生産難度の高い合繊生地/宏良国際〉

 台湾南部の嘉義県に工場を持ち、難度の高い合繊の布帛製生地を生産している。ユニフォーム向けの高強度生地と、コストパフォーマンスの高いストレッチ生地をアピールする。

 高強度生地は、ナイロンのスパンデックスカバーヤーンを使用している。値段はやや高いが、高強度が求められるユニフォーム向けに最適な機能を持つ。

 ストレッチ生地は、ポリエステル100%の布帛製生地で高いストレッチ性を持つ。スパンデックスを使わないことで、価格を抑えた。

 同社の強みは開発力だ。開発部門が顧客のさまざまなニーズに応え、他メーカーが嫌うような難度の高い生地を開発、生産している。

〈高コスパのファッション生地/禾芸実業〉

 ファッション向け生地のコンバーター。ファンシーヤーンを使った布帛生地と、ウールライクのチェック柄のニット生地をメインに出展する。

 ファンシーヤーン使いの布帛生地は、欧州のラグジュアリーブランドのツイードジャケットの生地を意識して開発した。コストパフォーマンスが高いのが特徴。

 同社は台湾の協力工場で、布帛とニット製の生地を生産している。強みは価格競争力の高さと、短納期へ対応力。

 2000年の設立以来、欧米顧客を中心に開拓してきたが、顧客のASEANシフトなどもあり、3年前からやや苦戦している。そのため、日本や中国の開拓に乗り出した。

〈ハイゲージのニット生地/優聚企業〉

 高性能ニット生地のコンバーター。トレーニングウエアとカジュアルウエア向けのハイゲージニット生地や、リサイクルポリエステル使いの生地を出展する。

 同社は、台湾の協力工場(編み立て約20軒、染色加工10軒)で生産している。顧客は欧米の中堅スポーツ、アウトドアブランドで、機能性を持つアウター用途のハイゲージやヨガウエア、パンツ用途のスパンデックス使いの生地が強み。

 近年は、ASEANでは生産が難しい付加価値品の開発を強めている。高いクオリティーが求められる日本市場に合う商品が充実してきたことから、昨年から日本市場の開拓に乗り出した。

〈感光糸使いのジャカード織物/綿春繊維工業〉

 スポーツ用途で実績が豊富な生地メーカー。富士紡の紫外線で色が変わる感光糸「UVマジック」を採用したジャカード織物と、豊富なカラーバリエーションの環境配慮型生地を打ち出す。

 ジャカード織物は、太陽光の下で色が変化する変わり種。UVマジックが服地に使われるケースはこれまで少なかったが、今回高い技術力を生かし、同糸を使った服地を開発した。環境配慮型生地は、原着糸使いで染色が不要で、環境に優しい素材として訴求する。

 同社は、桃園市の自社工場で織布から染色加工を行っている。ベトナムでは自社工場で経編み、協力工場で丸編みを生産するほか、合弁の染工場を運営している。

〈抗菌・UVの独自素材/佳紡国際貿易〉

 高機能素材メーカー。原糸段階で高いUVカット性、抗菌性を持たせた独自素材「リッチ・ヤーン」と、リサイクルナイロン糸の原着糸を前面に出展する。

 リッチ・ヤーンは、ポリエステルとナイロンの2種類ある。台湾の協力工場で紡績し、自社の織布工場と編み立ての協力工場で生地にしている。今回は特に、リサイクルポリエステル使いをアピールする。

 一方、リサイクルナイロン糸の原着糸は、後染めの必要がなく、環境に優しい素材としてアピールする。小ロットにも対応しており、ユニフォーム向けとして提案する。

〈ピケ素材のニットデニム地/達歩施企業〉

 糸の染色から丸編み、縫製、製品洗いまで一貫で手掛けるデニム調素材「ニットデニム」のメーカー。春夏向けのピケ素材のニットデニム地と、環境配慮型デニム地をアピールする。

 ピケ素材のニットデニム地は、裏地にナイロンとポリエステルポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)複合繊維「ライクラT400」を使用。立体感があり、軽いのが特徴で、春夏のパンツ地として提案する。

 環境配慮型は、リサイクルポリエステルや精製セルロース繊維「テンセル」リヨセル、キュプラ繊維「ベンベルグ」など、バラエティー豊かな素材使いを訴求する。

〈高機能のニット生地/春昌企業〉

 ファッション、スポーツウエア向けの高機能ニット生地メーカー。保湿効果が期待できる素材「UMORFIL(ウモーアフィル)」と、リサイクルポリエステル使いの環境配慮型生地などを出展する。

 環境配慮型生地は、リサイクル製品でのリサイクル材料の量やトレーサビリティー(追跡可能性)を公的に裏付ける認証プログラム「GRS(グローバル・リサイクル・スタンダード)」認証を取得した素材を使っている。

 同社のアドバンテージは、生地の開発力と短納期対応。生産は一部出資する織布工場や染色工場、約30年協力関係にある工場で行う。生地サンプルは最短で25日で提供している。

〈スポーツ風のジャカード生地/晨華企業〉

 桃園市に織布工場と染工場を持ち、ファッションからスポーツ、アウトドアまで幅広い用途の生地を生産するメーカー。ファッションとスポーツの要素を融合したジャカード生地と、海洋廃棄物由来のポリエステルとナイロンの再生繊維を採用する環境配慮型生地を打ち出す。

 日本市場は売り上げ全体の4割を占める。これまで台湾の商社経由でスポーツブランドに販売してきたが、日本語人材を昨年採用し、自社でも開拓を始めた。

 自社工場は、ウオータージェット織機約200台を導入し、ストレッチ素材の生地を中心に生産している。