東京ファッション・ウィーク 19秋冬レビュー② 

2019年04月04日(Thu曜日)

ビューティフルピープル コートに妙味、ビジネスも好調

 5シーズンぶりに東京でファッションショーを開催した「ビューティフルピープル」は、ドレープを生かした美しいシルエットや上質素材のこなし、独自のコンセプトを深化させた興味深いコレクションを披露した。

 独自のコンセプトである「サイドC」は、AでもBでもない、C面の衣服を意味する。構築的な服をAとし、脱構築的な服をBとしながら、この中間にある服をサイドCと定義した。5シーズンにわたりパリコレクションで勝負してきた中で、モードやコンサバティブを包括する同コンセプトにたどり着いたと言う。

 今季のショーを見ると、コートやドレスの完成度が飛躍的にアップしていた。国内素材を駆使しながら、エレガントなパンツルックやロングシルエットのコート群を披露。ラグジュアリーブランドがしのぎを削るパリで発表してきた成果として、「完成度を上げなければ戦えない」というマインドにつながった。

 再び東京でショーを行うことについてデザイナーの熊切秀典氏は、「東京でもサイドCの考え方を見せる必要があった。これからもパリと東京の両都市でショーを継続したい」と今後に意欲を見せている。

 東京都港区にある青山路面店をはじめ、伊勢丹新宿本店、ルクア大阪といった取引先も売り上げは好調で、ウエアと服飾雑貨がバランス良く売れている。同ブランドの代名詞にもなっているライダースジャケットやトレンチコートに加え、近年はロゴを入れたトートバッグやスマートフォンケースもヒット。国内デザイナーズブランドの課題である雑貨アイテムの拡大に成功している。

 数年前はカジュアルブランドとしての色彩が濃かったものの、現在は大人層の女性を取り込み、10万円以上の高単価品番がリード商品になっている。商品を見ると、パターンメイクが非常に作り込まれていることが分かる。ドレスなどは、顧客のリピーター率が高いことも特徴と言える。