東京ファッション・ウィーク 19秋冬レビュー③

2019年04月05日(Fri曜日)

チノ レベルの高いデビューショー

 展示会ベースで業容を拡大してきた婦人服ブランド「チノ」は、国内デザイナーの海外進出支援事業「東京ファッションアワード」を受賞したのを機に、都内で凱旋(がいせん)ファッションショーを行った。

 同ブランド初のショーは、1990年代前半に隆盛したグランジファッションから着想し、ロングカーディガンやフランネルシャツ風のトップス、レオパード柄のジャケットなどを発表。90年代当時は、古着の擦り切れたネルシャツや穴の開いたジーンズがトレンドに浮上したが、チノではグランジファッションをリアルクローズに表現した。

 上質なドレスやコートを主力に、フリンジを効かせたスカートやネルシャツのチェック柄を採用したドレス、パンツルックを差し込んだ。フォルムや異素材コーディネートのバランスも良く、レベルの高いコレクションに仕上げている。

 グランジロックの代表格だったバンド「ニルヴァーナ」の曲をフィナーレに流すなど、随所で90年代当時をほうふつとさせる内容だった。東京発のストリートファッションを軸にしながら、シャープなリアルクローズに落とし込むテクニックを見せつけている。

 ショーを行う以前からビジネスは堅調だった。国内の取引先は約50アカウント、販売店舗数は90店舗以上になっている。海外は米国や中国本土、香港など約20アカウントに拡大。東京ファッションアワードを受賞する前には、パリやニューヨークで展示会を行ったこともある。

 同ブランドの茅野誉之デザイナーは、「さらに海外の販路を広げたい。中国本土も徐々に店舗数が増えてきた」と述べている。近年は、伊勢丹新宿本店やユナイテッドアローズ、バーニーズ ニューヨーク(新宿・銀座・横浜・神戸・福岡)など、都心部を軸に取引先が拡大。

 定評のあるシャープなシャツアイテムやメンズライクなコート、さらに量感のあるボトムスなどが支持を集めている。昨年来から「企業体力が備わった時点でファッションショーを開催したい。デザイン契約する企業との協業も続けながら、ブランドの知名度をアップさせる」と語っていた茅野デザイナー。その考えを実現させた格好だ。