明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編⑬

2019年04月05日(Fri曜日)

東播染工 次の「挑戦」は自販

 播州先染め織物産地の東播染工は、糸染色、サイジング、製織、仕上げ加工の一貫工場。機械を動かすことが第一の目的であり、時代に適応するためにその都度設備投資を繰り返してきた。8代目を務める岡田太社長(52)は現在の設備体制を「先人たちの(設備投資)努力のおかげ」と表現、今後も設備投資を順次進めながら一貫体制の強みを発揮して受注拡大を狙う。一方、「これがないと生き残れない」と、企画デザイン力の向上と自主販売に力を入れる。

 同社は1943年創業、47年設立。長らく糸染色と仕上げ加工を主事業とし、日本最大の先染め織物産地である播州の生産を下支えしてきたが、後染め用に液流染色機を逐次導入するなど産地の枠にとらわれない発想と行動力も伴う。

 「一貫体制を確立する」として2003年には織機導入に踏み切った。導入当時は某紡績からの製織依頼で織機のほぼ全量が動いていたため染色、加工との一貫性は発揮されていなかったが、今では同商権がなくなったことも背景に一貫化が進展している。

 後染めへの事業拡大、織機導入による一貫体制の構築などに続く「挑戦」が、企画デザイン力を身に付け、自販を拡大すること。16年には企画開発室を立ち上げ、主体的な企画デザインに着手。企画、営業の人員も拡充した。

 自販拡大方針の成果は早速表れている。18年度の生地自販売り上げは17年度対比2・5倍に拡大。日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催したニューヨーク展にも参加し、現地ブランドとの取引も始まった。

 その原動力になっているのが、企画開発室に籍を置く2人の女性。産地の中心地である西脇市が進める「西脇ファッション都市構想」の一環として市の補助も受けて産地に移住してきた川村香芳理さんは、テキスタイルデザインだけでなくマーケティングやプロモーションも担当。英語を生かして海外ブランドとの商談でも力を発揮した。

 小野圭耶さんは産地の出身で、20代の頃から産地女性の有志の集まり、「西脇アイシテルプロジェクト」のリーダーを務めるなど活躍し、産元商社から東播染工に転職した経歴を持つ。最近では全国の産地若手テキスタイルデザイナーによる展示会「ニナウ」の一員としても脚光を浴び、18年のジャパン・テキスタイル・コンテスト(JTC)では一般の部グランプリに輝いた。この2人の活躍が自販拡大の原動力になっていることは間違いない。

 岡田社長は「(自販拡大への)手応えはある」と自信を見せ、自販事業のさらなる拡大を期す。

社名:東播染工株式会社

本社:兵庫県西脇市高田井町224

代表者:岡田 太

主要設備:ビーム糸染色機、チーズ糸染色機、計62台。糸染色の能力は月産200㌧(うち約50㌧はニット糸のチーズ染色)。エアジェット織機90台、レピア織機5台、サンプル整経機1台、ドローイング機2台、リーチング機2台。織布能力は月産25万~30万平方㍍。毛焼き機1台、のり抜き機2台、シルケット機1台、テンター付き樹脂加工機3台、テンター機1台、ベーキング機1台、カレンダー機1台、サンフォライズ機3台、起毛機3台、液流染色機7台、液体アンモニア加工機1台、ほか。仕上げ加工能力は月産200万㍍

従業員:190人

(毎週金曜日に掲載)