東京ファッション・ウィーク 19秋冬レビュー④

2019年04月08日(Mon曜日)

ミントデザインズ 人工素材とクラフト感でモードに昇華

 ブランドの原点を見詰め直すため、今季はインスタレーションでの発表となった「ミントデザインズ」は、刺しゅうやキルトといったステッチワークに焦点を当てた。同ブランドが「刺しゅう」にフォーカスするのは珍しく、得意とするオリジナルプリントのドレスや透明感のあるピンク、サックスカラーと相まって独特の雰囲気を醸し出している。

 デザイナーの勝井北斗氏は、「ここ15年以上、当たり前のように東京でファッションショーを行ってきた。ショーの開催がルーティンワークのようになっていたので、一度立ち止まってブランドを客観的に見たかった」と言う。

 2003年からショーを継続し、そのオリジナル性と実力が認められ、10年には第28回「毎日ファッション大賞」を受賞した。その後も海外のファッション・ウィークから招かれるなど、国内外でブランド知名度をアップさせている。

 国内産地と協業したユニークなテキスタイルを採用するほか、縫製も国内で行っている。クリエーションの手間を惜しまず、今季もビニールのごみ袋を想起させる人工的な素材をドレスやアウターに使用。インダストリアルなモチーフにクラフト感のある花柄のクロスステッチを組み合わせ、相反するモチーフをルックで表現した。

 もう一方のデザイナーである八木奈央氏は、「インスタレーションを行うことで、バイヤーやジャーナリストの皆さんにしっかり説明することができた。ショーだと、発信が一方通行になることも多い」と今回の狙いを語っている。

 キルトを使ったボリューム感のあるコートやスカートも特徴だが、キルトの温かみのあるイメージとシャープなシルエットが混在する商品に仕上げた。さまざまな素材とポップな色柄、ウエストを絞ったシルエットをミックスし、モードに昇華したコレクションとも表現できる。

 近年は大人層を対象にするデザインが増え、新規顧客の開拓にも成功。「青山(東京都渋谷区)にある直営路面店には外国人客も来ている。大人層とインバウンドの両面を取っていきたい」(勝井デザイナー)と話す。