産地の4~6月を読む①

2019年04月08日(Mon曜日)

北陸 高密度減速、不透明強まる

 合繊長繊維の織・編み物産地である北陸産地の様相が変わりつつある。ダウンウエアの表地に使う高密度織物を中心にこの数年活況だったが、先行き見通しに変化が表れている。好調だったスポーツウエア向け丸編み地も減速。量的に支える大手SPA向けの高密度織物も、暖冬の影響もあって生産調整に入った。現在もフル生産を続ける織布・染色企業からは「5、6月以降の受注状況は“不透明”」と慎重な見方が大勢を占めている。

 産元商社によると、好況だったスポーツ・アウトドア向けの高密度織物も「急速に隙間風が吹き始めた」。大手機業は5月いっぱい埋まっているが、同機業が外注する機業への先の受注は既に減少している。国内に加えて世界経済も英国の欧州連合(EU)離脱問題に揺れる欧州に加え、中国も米中貿易戦争の影響を受けて景気は低迷しており「輸出の落ち込みも懸念される」と言う。

 大手機業からも「国内需要は18秋冬の暖冬による影響、米中貿易摩擦による中国経済の減速など先行きは不確実性が増す」「織布スペースの奪い合いが減り、先の案件もキャンセルが目立ってきた」との声が上がる。

 染色加工企業も「この2年間の異常だった受注状況を基準にすれば、正常に戻ったと言えるが、感覚的にはそれ以上に悪い」「1月以降、計画を下回り始めており、北陸産地の商況は変わりつつある」と各段階の変化の兆しを肌で感じている。

 中国の環境規制強化で現地の中小を中心に機業、染色加工企業の規模が縮小し、その分が日本に回帰したともいわれたが、中国の大手企業が環境規制に対応した増設を行い、その設備が動き出したことも一因と言える。

 この数年、わが世の春を謳歌(おうか)していた北陸産地。これまで講じてきた手立てで受注減をカバーしきれるかどうか。各社の自力が問われている。

 4~6月のテキスタイル産地の現況を追う。