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富士紡ホールディングス/わきが対策加工量産化/吸水速乾とのマルチ機能も実現

2019年04月08日(Mon曜日) 午前11時52分

 富士紡ホールディングスは、消臭と吸水速乾に加えてわきが対策抗菌防臭機能を併せ持つ綿ニット生地加工「デオスカイ」を開発し、2018年から量産を開始した。既にTシャツなどで採用が始まっている。近年、わきがの原因菌が特定されたことから、これを対象とした抗菌防臭加工技術を確立。加えて綿に消臭や抗菌防臭加工と吸汗速乾を同時に付与する機能加工は極めて難度が高いことからも注目されそうだ。

 人体の臭いの多くは、汗や皮脂などを細菌が分解する際に生じる臭い成分が原因となる。このため臭い成分を発生させる原因菌の増殖を抑えることで臭いの発生を抑えるのが抗菌防臭加工となる。この際、特定の臭いを抑えるためには、原因菌の特定とそれに対する抗菌性の確立が必要となる。

 近年、日本の化粧品メーカーが、わきがの原因菌がコリネバクテリウム属だと特定した。これに着目した富士紡ホールディングスは、コリネバクテリウム属を対象とした抗菌防臭加工を開発した。実用化のためにはコリネバクテリウム属を対象とした抗菌性試験も必要なため、検査機関に試験方法の開発を要請したところ、ボーケン品質評価機構が試験方法を確立した。

 一方、わきが対策抗菌防臭加工だけでは、いずれ競合他社の追随で差別化が難しくなることから、消臭機能と吸水速乾機能も併せ持つマルチ機能加工生地としてデオスカイを開発した。一般的に綿への吸水速乾加工と抗菌防臭加工を同時に付与するのは加工剤の相性などの点から極めて難度が高い。このハードルをフジボウテキスタイルの和歌山工場が持つ技術でクリアした。

 デオスカイは18年から量産を開始し、Tシャツなどに採用されるなど徐々に販売が進んでいる。後染めだけでなく先染め生地へも加工が可能なため、アウター用途にも利用できる。わきがの原因菌が特定されたことで近年、制汗剤や制汗シートの分野でわきがに焦点を当てた商品が増加している。こうした流れに衣料品分野でも応える加工としてデオスカイの提案を進める。