産地の4~6月を読む②

2019年04月09日(Tue曜日)

尾州 5月以降は悲観ムード漂う

 尾州産地では、19秋冬向けで早期の発注が入っており出足は好調だ。生産のキャパシティー不足やASEAN縫製増加などが要因で、例年より数カ月ほど早い。しかし、店頭販売の不振によって今後の発注については悲観的な見方が広がっている。

 日本毛整理協会が発表した加工動向によると、2月の紡毛織物入荷数量は紳士向けが912反(前年同月比87・7%増)、婦人向けが1万4633反(27・8%増)といずれも高い伸びを示した。梳毛織物は婦人向けが落ち込んだものの、紳士向けがけん引した。

 17秋冬は寒波の影響によって店頭販売が好調で製品在庫もはけたため、18秋冬向けの生産は活況で生産キャパ不足により、一部では納期遅れも発生。さらに、今シーズンは東南アジア向けの縫製品が増加傾向にあり、19秋冬向けは早期から受注が入った。

 ある機業は「2月に織布や先染めの染色スペースが混み始めた」と話す。染色整理企業も「立ち上がりとしては昨年より1カ月から1カ月半ほど早い」と明かす。出足としては好調なものの、その一方で今後の見通しとしては厳しい見方をする企業が多い。

 「暖冬の影響で店頭販売が芳しくないため、総量としては減るのでは」「5月ぐらいで発注が止まり、それ以降のリピートはないだろう」。尾州内ではそんな声が大勢を占めており、悲観的なムードが漂っている。ある機業は「今年は尾州にとって非常に厳しい年になる」と危機感を示す。

 毛織物を得意とする尾州は秋冬向けの比率が高い上に、天候やトレンドといった外部要因による影響を受けやすい。今後は春夏向けの比率向上や衣料向け以外の開拓も必要になりそう。