東京ファッション・ウィーク 19秋冬レビュー⑥

2019年04月11日(Thu曜日)

ウィシャラウィッシュ タイの多様性と豊富な生地

 タイ各地で生産される伝統的な織物や職人によるハンドメードのファブリックを採用するタイ発のブランド「ウィシャラウィッシュ」が、東京で初のファッションショーを開催した。

 デザイナーのウィシャラウィッシュ・アカラサンティスック氏は、2008年にファッションコンテスト「Tokyo新人デザイナーファッション大賞」でグランプリを受賞し、12年にはスペインの「マンゴ・ファッション・アワード」でもグランプリを獲得している。

 コレクションは、現代的なロングドレスやオーバーサイズのトレンチコート、キクやシダといった植物柄のオリジナル生地をウイメンズ、メンズの両アイテムに採用。色柄も豊富で、エレガントにまとめたコレクションが特徴だ。

 デザイナーのウィシャラウィッシュ氏は「今季は、タイの多様性を表現している。タイの各地方へ出向き、それぞれの伝統やハンドメードの生地を集めた」と述べている。タイ南部・パッターニー県で生産しているバティック(ろうけつ染め)や、タイ東北部・コーンケン県で製作しているイカット(織物)、タイダイ染めシルクなども取り入れている。

 また、タイの手織り綿“パーカオマー”使用したチェック柄のシャツドレスやパンツも披露。伝統的な工場や職人との協業を強調しながらも、アイテムのスタイリングやオーバーサイズといった単品のディテールを見ると、市場をリードするストリート系のアピールをしていることも分かる。

 近年はタイの若手デザイナーも力を付け、タイ国内外でファッションショーを開催するケースが増加している。タイ駐日大使館によると「海外のファッション・スクールで学び、母国で起業する人が増えている。実力も向上していることから、対日ビジネスで道筋をつけたい」と期待感を示した。

 一方で同ブランドは、クリエーションを優先するため、価格面での優位性が低い。日本のデザイナーズブランドよりも高額になる商品もあり、価格MDなどの課題も浮き彫りになっている。