産地の4~6月を読む④

2019年04月11日(Thu曜日)

富士吉田・西桂 オリジナルブランドの人気高まる

 山梨県の富士吉田産地(西桂産地含む)では、裏地から服地、ネクタイ、インテリア、傘まで幅広い分野の生地が生産されているが、全体として厳しい状況が続いている。各社の主力事業となっている受託生産が勢いをなくしており、機業の多くが「4月以降も期待は薄い」と警戒感を強めている。

 厳しい環境下でも比較的堅調に推移しているのが裏地や寝装・インテリア関連だ。裏地はジャカードの需要が底堅く、一定の水準を維持できているもよう。一方のドビーは「年明けにオーダーが入り、織機は動いている。ただし、先行きは心配」との声が上がる。寝装・インテリアはベッド周りの需要が戻りつつあるが、「以前にも増して価格抑制要求が強い」。

 ネクタイは、中国をメインとする海外への生産移転が続いていることや需要そのものが減少していることなどから受託生産を中心に苦戦。これから裏シーズンに入ることもあり、明るい材料は見えてこない。傘地は、前年の同時期と比べて横ばいから若干減という流れが定着している。

 全般的に盛り上がりを欠いているものの、ネクタイや傘、衣料品のファクトリーブランドは徐々に販売が伸びている。自社ブランドを手掛ける企業は積極的にアプローチを仕掛け、百貨店ポップアップショップや専門店での取り扱いが増えるなど、販路も着実に広がってきた。

 産地のある機業は「今後も受託生産が劇的に復活するとは考えにくい。工場の操業はなかなか安定しないが、空いた時間と空いた織機を使って新しい生地を開発することができる」と強調。現状を前向きに捉えている。