東京ファッション・ウィーク 19秋冬レビュー⑦

2019年04月12日(Fri曜日)

コーシェ パリ、東京のストリート感を融合

2016年以来の参加となったフランス発のウイメンズブランド「コーシェ」は、渋谷のスクランブル交差点に面したDVD販売・レンタル店「シブヤツタヤ」(東京都渋谷区)の屋上でショーを開催した。現代の東京ストリートを象徴する場所でもあり、国内外から多くのバイヤー、ジャーナリストを集客している。

 今回は、同ブランドを買い付けた実績のあるユナイテッドアローズが開催をサポートしたほか、中伝毛織(愛知県一宮市)と江戸ヴァンス(東京都墨田区)が制作協力したショーピース(7素材11型)をコレクションに組み込んだ。工場との協業は、日本ファッション・ウィーク推進機構がマッチングしたもので、日本に本社兼工場を構える各企業が連携するプロジェクトとして行われた。

 スポーツ的な要素と強い女性像を融合し、サッカーから影響を受けたアイテムを披露。中にはビンテージのスポーツジャージーをクチュール的に仕立てたアイテムもある。さらに、エレガントなベルベット素材やクリスタルの「スワロフスキー」をあしらったカジュアルウエアも特徴になっている。

 デザイナーのクリステル・コーシェ氏は「東京ファッション・ウィークのためにデザインしたアイテムもある。また、映画「名探偵ピカチュウ」ともタッグを組み、現実世界とファンタジーをミックスした」と語っている。

 パリで発表したストリートテイストあふれるコレクションに、東京のストリートを想起させるレイヤードスタイルやハンドメードの繊細なディテールを採用し、独自のクリエーションを生み出した。海外のデザイナーが日本や東京をモチーフにしながら、感度の高いコレクションにまとめた好例とも表現できる。

 前回は原宿のストリートでゲリラショーを行い、多くの反響を得た。そして今回も「東京への愛を伝えた」(コーシェ氏)と言うコレクションは、ストリート派生のエレガントな内容になった。一見、粗野に見えるコレクションも卓越したテクニックが各ウエアに隠されている。

(おわり)