産地の4~6月を読む⑤

2019年04月12日(Fri曜日)

泉州小幅 堅調受注継続 さらにPR強化

 大阪・泉州綿小幅織物産地ではここ数年、堅調な受注状況が続いている。縮小淘汰(とうた)の歴史の中で小幅織物の機業数が激減したこと、中国製の小幅織物の輸入が減少したこと、インバウンド需要や「和」ブームの中で手拭い専門店が売れ行きを伸ばすなど小幅織物の需要が増していることなどが背景にある。

 手拭いの需要が高まっているのは、「古臭い」というイメージを払しょくできたから。ポップな柄が人気を博し、タオルよりもさまざまな場面で使い勝手がいいという評価が女性を中心に広がった。手拭いという存在そのものを知らない層に「新しさ」を感じさせたこともブームの理由だった。それを下支えしているのが、泉州を筆頭とした日本の小幅産地である。

 産地組合の泉州織物工業協同組合はこのほど、地場の小幅織物で作った「和泉木綿ハンカチ」を地元、大阪府和泉市の新小学1年生全員に無料提供した。「地場産業の地元での認知度向上」が目的だった。給食の際に三角巾としても使えるサイズにするなど工夫も凝らした。来年度以降も継続する予定と言う。

 同工協組は同時並行で、加盟企業への「和泉木綿」看板設置も進めた。これも、地元住民へのアピール。「まずは地元に周知してもらわないと」と考えた末の策だった。

 堅調な受注の一方で後継者難など課題も多く抱える同産地だが、手拭いブームに加えてこうしたPRが奏功し、各機業に後継者が入ってくる日も近いかもしれない。