明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編⑭

2019年04月12日(Fri曜日)

テックワン ブルーサイン取得、環境対応に本腰

 長繊維生地染色のテックワン(石川県能美市)は、「小さな大企業」を合言葉にして、「技術力世界一」を目指してきた。そして透湿防水加工をはじめとする優れた技術開発力は欧米スポーツアパレルが高く評価する。しかし、彼らがエコロジーやサステイナビリティー(持続可能性)を最重視する中で「環境対応なしでは今後の取引が難しくなる」と竹田忠彦社長(73)。このため、「不退転の決意」を持って環境対応に本腰を入れる。

 同社は1962年に準備、精練を中心に石川県小松市で創業する。65年に平松産業として法人化。ナイロン・ポリエステル織物の捺染・染色加工からスタートし、2001年にはボンディング・ラミネート工場を新設した。09年にインクジェット捺染機も導入、13年には現社名に変更した。

 主力はスポーツウエアやアウトドアウエア向け透湿防水加工で、売上高は約35億円(18年10月期)。8割が欧米など海外向けになる。その欧米のスポーツアパレルがエコロジー、サステイナビリティーを最重視する中で、同社も環境対応に大きくかじを切った。

 その一つが環境、労働、消費者の観点で持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与される「ブルーサイン」の認証の取得だ。ブルーサインは、欧米のスポーツアパレルなど世界で約400社が認証を取得するもの。石川県の繊維企業による認証取得は初めてとなる。

 ブルーサイン認証にも関連するが、約1億5千万円を投じて、揮発性有機化合物(VOC)の燃焼処理装置の導入も決めた。20年4月に稼働する。自社生産する透湿防水フィルムは溶剤を使用する。現在は製造段階で発生したVOCを大気放出するが、燃焼処理装置を導入により、VOCの95%を除去できるという。さらに排水処理装置も同程度の投資を検討している。

 ブルーサイン認証取得により環境対応企業である点をさまざまな形で内外に訴求する考えだが、認証に合致しない染料、薬剤、樹脂などは使えなくなる。このため、生産できなくなる加工も出てくるが「不退転の決意で環境対応に取り組む」と竹田社長は言い切る。しかも、環境対応を進めることでコストアップは避けられないが、「モノ作りのレベルを高めて加工料金も引き上げることで対応する」と技術世界一を目指す企業らしい。

 技術力を生かした自販事業にも取り組む。軌道に乗るフィルム販売(自動車ライトなどの透湿防水・防塵用ベントフィルター向け中心)のほか、介護・医療用の体圧分散マットレス「メディマット」やインクジェット捺染「ルストマックス」を展開中。本格事業化を目指す、リチウムイオン電池負極材や炭素繊維の開発も進めており、将来的には売上高100億円を目指している。

社名:テックワン株式会社

本社:石川県能美市浜町ヌ161―4

代表者:竹田 忠彦

主要設備:液流染色機13台(内2チューブ4台、1チューブ9台)、ビーム染色機2台、ジッカー染色機2台、スクリーン捺染機3台(内1台はロータリー捺染併用機)、インクジェット捺染機7台、コーティング加工機2台、ラミネート加工機4台、月産最大150万㍍。

従業員:180人