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紡績の商品開発最前線(3)/シキボウ/SDGs実現へブランド再編

2019年04月17日(Wed曜日) 午後4時34分

 シキボウはこれまで多彩な機能加工や特殊原料を活用した糸・生地を開発してきた。特に健康、清潔、衛生、そして環境といった切り口を重視した商品開発に力を入れている。こうした中、このほど国連が提唱するSDGs(持続的な開発目標)を全面的に商品開発と提案に組み込んだ。そのために「エコテクノ」ブランドをリニューアルし、商品ラインアップの再編を進めた。

 エコテクノは1997年に立ち上げたブランド。当初は主にオーガニック綿や再生ポリエステルを使った商品のブランドとしてスタートした。これをこのほどリニューアルし、SDGsに貢献する全ての商品群の総合ブランドとして展開する。

 エコテクノの中でオーガニックや生分解性、リサイクルなど原料の特性に焦点を当てた「グリーンエコ」、生産プロセスなどでの環境負荷を低減する「アースエコ」、機能性や耐久性などで環境負荷低減につなげる「ブルーエコ」の三つのカテゴリーブランドも立ち上げ、それぞれ色別タグも用意する。

 例えば「エコテクノ グリーンエコ」として、「コットンUSA」認証を取得している商品を改めて打ち出す。全米綿花協会(NCC)や国際綿花評議会(CCI)が指摘するように、米国の綿花栽培は最新の科学技術を導入した精密農法を採用しており、栽培時の水使用量の大幅削減や土壌流出の防止、周辺環境での生物多様性の保護などを実現している。サステイナブル(持続可能な)農法によって生産される米綿を改めて打ち出すことで、綿紡績として商品開発・提案でのSDGsへの取り組みを明確にする。

 東南アジアに生息するエリ蚕の繭から採取するシルクを活用する「エリナチュレ」もSDGsにかなう商品。天然のUVカット性や消臭性、軽量性といった機能面に注目するだけでなく、廃棄されていたキャッサバ芋の葉を蚕の飼料として再利用することや、東南アジアへの養蚕技術の提供、さらには東南アジアの農村部での雇用創出を目指すなど、その目標は幅広い。

 機能加工でも天然由来成分の活用を進める。食品などにも使用される多糖類「トレハロース」を繊維に付与することで熱伝導性と放熱性を高めた涼感生地「トレハクール」、茶葉の抗菌作用を活用した抗菌防臭加工生地「チュアバフレッシュ」、ヤシ油成分を活用した撥水(はっすい)加工生地「ヤシパワー」など、いずれも「エコテクノ アースエコ」のカテゴリーで提案を進める。ユニフォーム地で人気が高い校倉(あぜくら)造り構造織り組織の高通気生地「アゼック」も「エコテクノ ブルーエコ」として打ち出す。

 原料、生産プロセス、機能性それぞれでSDGs実現に向けたシキボウの取り組みが加速する。