産地の4~6月を読む⑨

2019年04月18日(Thu曜日)

三備 ビンテージ再燃に期待感

 ジーンズ、デニムを取り巻く三備産地の景況は、デニムメーカー最大手のカイハラ(広島県福山市)が2019年2月期、前期比で減収になるなど、全般的にあまり良くない。デニムがトレンドから外れていたことが産地の生産にも少なからず影響を及ぼしたようだ。

 「若年層のファッション離れも大きい」(カイハラ)との声もあり、ファイブポケットのジーンズそのものの需要は低調が続く。ただ、1~3月からは上向きになりつつある。「過去最悪だった前年に比べて良くなってきた」(洗い加工関係者)といった声も聞かれ、受注も戻りつつある。スカートなどデニムを使ったアイテムについては「春物の出足が良く、アパレルメーカーの雰囲気が変わってきた」(別の洗い加工関係者)と、ジーンズはともかくデニムに対するトレンドの復調に対する期待感も出てきた。

 特に海外ではビンテージのブームが再燃する傾向にある。19―20秋冬ニューヨークコレクションでは「先シーズンの奇麗めのデニムから一変して、ビンテージ加工が復活してきたようだ」(ファッションプロデューサーの宇自可伶氏)との声が聞かれ始め、海外ブランドからの受注も増えつつある。

 産地企業の中には「セルビッヂデニムがジャカードによるデニムとともに国内外で発注が増える傾向が見られる」(機業)、「ビンテージ加工を中心に海外からの受注が入ってきた」(洗い加工)と復調の動きが見られ、期待感が高まる。

 「19年も厳しさが続く」(カイハラ)といった見方はあるものの、昨年に比べて明るい話題は多い。篠原テキスタイル(福山市)がエアジェット織機を5台更新、日本綿布(岡山県井原市)が新工場の建屋を完成させるなど設備投資も増え、来るべきデニムトレンドに備える。