香港繊維大手 トップに聞く(1)/東レとともに高度化実現/パシフィック・テキスタイルズ CFO 杜 結威 氏

2019年04月17日(Wed曜日) 午後4時42分

 香港の繊維大手企業が、商品をはじめとしたビジネスの高度化に取り組んでいる。競争の激化や環境投資などで生産コストが膨らむ中、高度化により利益の確保を狙う。丸編み大手、互太紡織(パシフィック・テキスタイルズ)の杜結威CFOに、2018年の商況やベトナム工場の稼働状況、東レとの協業の成果について聞いた。

(香港=岩下祐一)

  ――18年4~9月の売上高は、13・1%増の34億274万香港ドルでした。

 18年上半期まで好調でしたが、下半期から日本などの暖冬の影響を受け、減速しました。

  ――一方純利益は5億293万香港ドルで32・7%増えました。前年同期のベトナム工場の操業停止の反動もありますね。

 ベトナム工場が地元政府と住民のトラブルに巻き込まれ、17年4~12月に生産がストップし、前年同期は減益(15・3%減)でした。同工場は18年1月から再稼働し、生産を徐々に拡大しています。現在は月産150万ポンドですが、数カ月後に最大の200万ポンドに持っていくつもりです。

  ――このほどベトナム第2工場設立の計画を発表しました。

 総投資額12億香港ドルで、22年稼働予定の第1期は300万ポンド、第2期は300万~500万ポンドになる見通しです。ベトナムで生地の供給がまだまだ足りていないことから、第2工場の設立を決めました。

  ――中国生産の難度が高まっています。ベトナムへのシフトを続けますか。

 番禺工場(広東省)は現在、約4300人で月産1200万~1500万ポンドの規模です。従業員数はピークに比べると減っていますが、最近安定してきました。今後は現在の生産量を維持していきます。

 ――環境規制の強化にどう対応しますか。

 毎年3千万~4千万香港ドルを排水や石炭発電などの環境設備に投資しています。同じ規模の投資をこれからも続けていくつもりです。

  ――17年7月、東レから28・03%の出資を受け、取締役、営業、技術の担当者各1人を受け入れました。これまでの成果は。

 東レのノウハウや原料を生かした生地の共同開発が進み、中国と米国の顧客に提案しているところです。これまでの成果に満足しています。

  ――今後の事業方針は。

 スポーツ向けを増やす一方、競争の厳しい低価格品から脱却します。ここ数年は、日系大手SPAと、米中のスポーツ大手向けが主力となり、低価格品中心の米小売り大手向けを大幅に減らしました。その成果で、18年の粗利率は18・5%となり、目標を5ポイント上回りました。