香港繊維大手トップに聞く(3)/晶苑国際 CEO 羅 正亮 氏/スポーツウエア拡大へ

2019年04月19日(Fri曜日) 午後2時56分

 世界最大級の製品OEM/ODM企業、晶苑国際(クリスタル・インターナショナル)は2018年も売り上げを大幅に拡大する一方、純利益は為替変動や中国での人手不足の影響を受け、ほぼ横ばいだった。幅広いアイテムを扱うが、現在はスポーツウエアの拡大に重点を置く。羅正亮CEOに最近の商況や事業計画を聞いた。

(香港=岩下祐一)

  ――18年通年業績は、売上高が前年に比べ14・6%多い24億9597万ドルでした。一方、純利益は0・5%増の1億4919万ドルとほぼ横ばいでした。

 (純利益が伸びなかったのは)人民元の為替変動にうまく対応できなかったことと、中国での人手不足が要因です。東莞市(広東省)のジーンズ工場は3年前に人手不足が始まり、昨年深刻になりました。そこで納期に間に合わせるため、航空便を使ったことで、利益を圧迫されました。

 東莞市から車で2時間ほどの中山市(同省)の工場には人が集まっているのですが……。

  ――人手不足に加え、人件費の高騰も深刻です。どう対処しますか。

 工場の自動化、スマート化により、生産効率を高め、省人化を図ります。中国では2年前から自動化に取り組んでいますが、まだまだできることがあります。

  ――17年11月の上場後、増収ペースを加速していますね。

 17年の増収は買収効果が大きかった(16年末にシンガポールのスポーツウエア製造、ビスタを買収)。18年は米国と日本の顧客向けがけん引しました。

  ――欧州向けは横ばいです。

 欧州経済が良くないことに加え、トルコの台頭があります。トルコは不景気で製造コストが下がっており、縫製地としての競争力が高まっています。ユーロ安もわれわれにとっては不利です。

  ――ここ数年、ベトナム生産を増やしています。工場の投資計画は。

 ベトナムの生産比率は約40%で最大。一方、中国は16年39%でしたが、現在は34%に下がっています。残りはスリランカ、バングラデシュ、カンボジアです。今後しばらくはこの5カ国に絞ります。生産国が増えすぎると効率が悪いためです。

 米中貿易摩擦により顧客の中国生産への懸念が強まっています。そのため、中国生産の規模(従業員数約2万人)は今後拡大せず、維持する方針です。

  ――強化しているアイテムは。

 スポーツウエアです。18年のアイテム別売り上げ構成比はカジュアル38%、ジーンズ25%、インナー16・5%、セーター10%で、スポーツは10%弱にとどまりました。現在、欧米のスポーツ、アウトドア大手へのアプローチを強めています。