両角みのりのイタリアモードの今 (14の上)

2019年04月24日(Wed曜日)

「ミラノデザインウィーク2019」 上

創造性、革新性、手作業

 第58回目となる世界最大級の国際家具見本市「SALONE DEL MOBILE」(通称ミラノサローネ)が今年も4月8日から14日まで開催された。ミラノ郊外に位置する会場(フィエラ)では、五つの見本市(「サローネ国際家具見本市」「サローネ国際インテリア小物見本市」「エウロルーチェ」「ワークプレイス3.0」「Sプロジェクト」)、そして「サテリテ」(550人の若手デザイナーが参加し作品を発表する場)を合わせ、出展企業数が2418社にも及んだ。6日間で181カ国・地域38万人以上が来場。昨年の史上最高来場者数には届かなかったものの、隔年開催のエウロルーチェが開催された2017年と比較して12%増を記録した。

 今年の目玉は何と言ってもレオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年にちなんだ展示だと言える。この偉大なマエストロ(巨匠)へのオマージュとして創意工夫がサローネのマニフェストに新たに加わり、レオナルドの功績を称え受け継いでいく意思を込めた。フォーリ会場ではレオナルドが設計した木製の水門が残る場所で「アクア:レオナルドのウォータービジョン」が、フィエラ会場では「デ―シーニョ」(ラテン語でシグナルの意)が開かれ、連日たくさんの入場者でにぎわった。

 ファッションとデザインのコラボレーションでは、フィエラ会場では「フェンディ」や「ミッソーニ」が、フォーリ会場では「エルメス」や「ルイ・ヴィトン」「ロエベ」などの常連ブランドが盛況だった。「エルメス」は、メゾン部門のアーティスティック・ディレクターのシャルロット・マコー・ペルマン氏による低い壁から成る迷路のような会場構成で観客の目を楽しませた。花こう岩や磁器、竹や革などの素材を通してデザイナーと職人との対話を持たせ、カラフルで暖かい色味と対照的なパターンで遊び心を感じさせた。

 「アルマーニ」は2015年にブランド創設40周年を記念して作られた文化施設シーロス(建築は安藤忠雄)で、「チャレンジ」と題した建築家・安藤忠雄の半世紀にわたる足跡をたどる展示会を開催。常設展では1980年から現代までの歴代のコレクションの中から600体のルックと200点のアクセサリーが展示され圧巻と言うほかない。

 日本の映画にインスピレーションを受けたコーナーもあり、日本への造詣の深さを感じさせた。過去の動画が見られるスペースや、ファッションを学ぶ学生や一般の為に無料で閲覧できるデジタルアーカイブも充実しており、丸一日過ごしても飽きない程のボリュームがある。

もろずみ・みのり 15年前にイタリアへ渡り、建築デザインとファッションを中心とした企業視察や通訳を務める。2016年からImago Mundi代表。