両角みのりのイタリアモードの今 (14の中)

2019年04月25日(Thu曜日)

「ミラノデザインウィーク2019」 中

デザイナーと職人のダブルシグネチャー

 今年で参加5回目となる「ロエベ」は、「ロエベ・バスケット」と題してジョナサン・アンダーソン自身がキュレートした籠細工やハンドキルト、カリグラフィーを展示した。ロエベの伝統とも言える古くから存在するバスケットは、安らぎやぬくもりを与えてくれるクラフトアイテム。そのバスケットを各分野の第一線で活躍する国際的に有名な10人の職人がロエベのレザーを使い、それぞれが独自の手法によって完璧さを追求し製作した作品は見応えがある。

 「マルニ」は「マルニ・ムーン・ウオーク」と題し、未踏の材料を使用し、長年協力してきたコロンビアの職人の手によって作られた製品を発表。宇宙船のような形をした円形テーブルや金属製のスツールとともに、部族のトーテムを連想させるベンチとスツール、クッションや色鮮やかなウール、天然素材の敷物やカラフルな吹きガラスコレクションを展示した。製品販売の利益の一部は、ローマの小児科病院の神経腫瘍病棟の子供たちに寄付される。

 「ディオールメゾン」は、レオナルドのブドウ畑に建つ美しい邸宅を舞台にディモーレスタジオがデザインを手掛けた14ピースのオブジェの限定コレクションを発表。黒い背景に白いチョークで描かれたグラフィカルな家具や植物の空間に、異なる金属(ゴールド、シルバー、ブロンズ)とプレキシガラスとラタンが描くメゾンの象徴モチーフのカナージュ(格子)が印象的。

 ベースやトレイ、燭台(しょくだい)、ライターと灰皿のセット、シャンデリア、フレームや傘立てから成るこの限定コレクションは今後1年間にわたりオーダーできる。

 「プラダ」は姉妹ブランド「ミュウミュウ」とパリのデザインユニットM/M(エム・エム)がコラボレーションした作品をテアトロジェローラモで展示。無数の穴の開いた小さな腰掛け椅子に12色のカラフルなマッチのようなスティックが刺さったもので、スティックは自由に差し替えられる仕組みになっている。300脚限定で作られたこの椅子はミュウミュウのストアで販売される。

 12年に誕生した、「ルイ・ヴィトン」が手掛けるノマド・コレクションは、セルベローニ宮殿にて新作10点を加え発表された。旅にインスパイアされたこれらのオブジェは、世界に名をはせる著名なデザイナーたちによりデザインされ、ルイ・ヴィトンのクリエーティブな職人が互いの匠の技を融合させ、旅の概念を独自の想像力で解釈し作り上げていった作品。現在では45点に上る数量限定の希少なラインアップコレクションとなっている

もろずみ・みのり 15年前にイタリアへ渡り、建築デザインとファッションを中心とした企業視察や通訳を務める。2016年からImago Mundi代表。