明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編⑯

2019年04月26日(Fri曜日)

鈴木晒整理 機能加工と設備投資に力入れる

 染色整理加工の鈴木晒整理(浜松市)は、高い技術力を生かして開発した多彩な加工技術を保有し、それらを顧客のニーズに応じて提案できるのが強み。ここ数年は機能加工の開発に加えて、設備投資も積極的に行っている。従業員全員が“考える集団”として、今後も果敢に挑戦し続ける。

 綿の晒しを手掛ける会社として1951年に創業。77年に染色工場を建設し染色加工部門の強化を図り、現在の礎を築いた。表面にシワを施すワッシャー加工は世界で初めて同社が開発したという。後加工のピーチ起毛も日本初で、画期的な加工の開発精神は現在にもつながっている。

 2013年から出展した「プレミアム・テキスタイル・ジャパン」(PTJ)がきっかけで、より開発力を増していった。最近では、生地が擦れ合った時に「キュキュッ」と絹の音色を感じるような風合いの「絹音(きぬね)」を開発。さらに、反発感や光沢感などを付与し合繊タッチを高めた新風合い加工も開発し、今年5月のPTJで初披露する。

 これらを含め現在の加工バリエーションは50種類ほどあるが、組み合わせることもできるため、その数は無限に広がる。鈴木希昌社長(44)は「生地の素材や組織などに合わせた加工ができるため、その生地の特性を最大限生かせる」と自信を見せる。

 ただ意外なことに、同社には加工の研究開発に携わる部署がない。そのため、営業部員が持ち帰った情報や顧客からのニーズを基に、従業員がアイデアを持ち寄り形にする。「みんなで考えて作ってしまうのも当社の強み」と語る。

 近年は風合い加工だけでなく、機能加工の開発にも力を入れる。電子商取引(EC)では、風合いに比べて機能は特徴が伝わりやすいためと言う。さらに寝装品やインテリア向けにも加工を開発。「アレルアタック」は表面に付着した花粉やハウスダストなどのアレルギー物質を瞬時に沈静化する効果がある。

 設備投資も積極的で、18年にシルケット機、17年に毛焼き機を導入した。省エネや二酸化炭素削減などに加え、生産効率、品質の向上も図った。「感性に訴える加工が多いため、設備に頼り過ぎるのではなく、きちんと生地を見て調整している」と述べる。

 従業員70人のうち半数が20~30代と、若手が多い。しかも40人弱が働く生産現場では1割が女性。女性ならではの、きめ細かい仕事はプラスになっていると言う。

 今後は人材育成などで生産面といった足場をより強固にし、中国をはじめとした海外への展開も視野に入れる。「当社のオンリーワンの加工やモノ作りの価値観をどう生かしていくか。全員で考えていくことが大事」。受託加工からの脱却を目指し歩みを進める。

社名:鈴木晒整理株式会社

本社:静岡県浜松市中区助信町43‐11

代表者:鈴木希昌

主要設備:連続精練漂白機、シルケット機、ホットフルー染色機、コールド・バッチ染色機、スチーマー水洗機、樹脂加工機など。月産能力40万㍍。

従業員数:70人

(毎週金曜日に掲載)