両角みのりのイタリアモードの今 (14の下)

2019年04月26日(Fri曜日)

「ミラノデザインウィーク2019」 中

ファッションの枠超えた表現力

 「ディーゼル リビング」はフィエラ会場で、職人の技と革新的なデザインで知られるイタリアの家具ブランド「モロゾ」とコラボレーションした。会場スペースは建設現場のようで、過去の素材を使用して未来を築くというアイデアと、常に変化し続けるブランドの意志を魅力的に表す。モロゾと共同で開発した新作アエロゼッペリン(飛行船)は、柔らかい枕や肘掛けを自由に動かしてスタイルを整えることができる遊び心のあるソファ。

 2017年にミラノサローネに合わせてグッチ・デコ・インテリアコレクションを発表した際はテンポラリーストアだったが、今年の「グッチ」はサント・スピリット通りに2階建てのストアを6月までオープンする。カラフルで大胆なパターン、動植物のシンボルを使った壁紙や、リチャード・ジノリの磁器に、家具に触発された肘掛け椅子などグッチワールドが広がる。

 「ヴェルサーチ」は自社の建物で、ファッションとインテリアを融合させた鮮やかなマイアミの雰囲気を醸し出すインスタレーションを行った。

 ミラノに新しくフェンディ・カーサを立ち上げた「フェンディ」は、ソラーリ通りにある新しい社屋でバック・ホームと題した展示を発表した。

 フィエラ会場とフォーリ会場両方で行った「ミッソーニ」は、かぎ針編みとニットで包まれた素晴らしい世界を表現。それぞれの部屋には日常に使われる家具や物(本や時計、テレビ、サボテン、花瓶、絵など)全てを色とりどりのニットで飾り、とてもユニークで暖かい空間を作り上げた。

 全体的にカラフルで明るい印象が強かった今年のサローネだが、ソファなど家具に使われるファブリックでは引き続きベルベットが人気で落ち着いた秋色が目立った。この他にも多くのファッションブランドが個別に、各所でイベントやインスタレーションを開催し、業界の枠を超えたブランドの世界観を発信するイベントとなった。(この項おわり)

もろずみ・みのり 15年前にイタリアへ渡り、建築デザインとファッションを中心とした企業視察や通訳を務める。2016年からImago Mundi代表。