中国国家統計局「18年農民工調査」/増加率0.6% 調査開始以来の最低/都市部出稼ぎ再び減少

2019年05月10日(Fri曜日) 午前11時36分

 中国国家統計局の「2018年農民工観測調査報告」によれば、2018年末現在の農民工総数は2億8836万人だった。17年末比184万人(0・6%)増えた。増加率は前年に比べて1・1ポイントも鈍化し、08年の調査開始以来の最低となった(表)。10年の5・4%をピークに年を追って増加率は縮小してきたが、16、17年にはそれぞれ0・2ポイント拡大していた。都市部への出稼ぎが減少した上に、近年傾向が顕著だった本籍地で働く“地元化”や同一省内への出稼ぎも鈍った。

〈地元、省内出稼ぎも鈍化〉

 地元企業に勤めるなど本籍地で農業以外の仕事に従事する農民工は1億1570万人となり、17年より103万人(0・9%)増えた。17年の230万人(2・0%)増からは増加人数、増加率ともに著しく鈍化した。構成比は40・1%へわずか(0・1ポイント)に拡大した。

 本籍地外への出稼ぎ農民工は1億7266万人で、81万人(0・5%)増加した。17年には251万人(1・5%)増加しており、やはり著しく鈍化した。出稼ぎ農民工のうち都市部で働く農民工は1億3506万人にとどまり、前年比では204万人(1・5%)も減少した。16年に157万人(1・1%)減少した後、17年には125万人(0・9%)増えていたものの、再び減った。

 本籍地と同じ省内への出稼ぎ農民工は9672万人で、前年より162万人(1・7%)増えた。出稼ぎ農民工の56・0%を占め、その構成比は前年より0・7ポイント拡大した。同構成比は、14年以来拡大し続けている。出稼ぎ農民工に占める同一省内出稼ぎ農民工の割合を送り出し地区別で見ると、東部82・8%(前年比0・3ポイント拡大)▽中部39・4%(0・7ポイント拡大)▽西部50・4%(1・4ポイント拡大)▽東北73・6%(2・8ポイント縮小)。

 農民工の送り出し地区を見ると、最大の東部が0・2%の減少に転じた。そのほかの地区も、増加率が鈍った。受け入れ地区では、出稼ぎ地の中心である東部が17年の0・2%増加から再び1・2%の減少に転じた。東北も1・0%減少した。西部が4・2%増と4%台の増加を維持しているものの、鈍化傾向を示す。

〈平均年齢の上昇続く〉

 全農民工の男女構成比は、男性65・2%、女性34・8%。女性の比率が前年より0・4ポイント拡大した。うち、出稼ぎ農民工の女性比率が30・8%で0・5ポイント縮小した。半面、地元で働く農民工の女性比率は38・6%(1・2ポイント拡大)と高い。

 農民工の平均年齢は40・2歳で、前年より0・5歳上がった。年齢構成では51歳以上が22・4%を占める。51歳以上の構成比は12年15・1%、13年15・2%、14年17・1%、15年17・9%、16年19・1%、17年21・3%と毎年拡大している。同時に、1980年以降に生まれた「新世代農民工」が51・5%(前年比1・0ポイント拡大)を占める。17年に、初めて半数を超えた。

 学歴は、高等専科(高等専門学校、短大)以上相当が、農民工全体の10・9%(17年比0・6ポイント拡大)を占める。うち出稼ぎ農民工では13・8%(0・3ポイント拡大)、地元農民工では8・1%(0・7ポイント拡大)と差がついている。

〈平均月収は/6.8%上昇〉

 農民工の1人当たり平均月収は、18年には3721元となった。前年に比べて236元(6・8%)上昇した。上昇率は0・4ポイント拡大した。前年比上昇率は09年の5・7%から10年19・3%、11年21・2%と大きく拡大した後、12年には11・8%へ縮小。13年は13・9%へやや持ち直していたものの、14年からは1桁%台の上昇率で、しかも縮小し続けていた。18年には5年ぶりに拡大した。(グラフ)

 出稼ぎ農民工は4107元(上昇率7・9%)、地元農民工は3340元(5・3%)。出稼ぎの方が額で767元、上昇率で2・6ポイント高い。17年の上昇率は出稼ぎ6・5%、地元6・3%だった。18年には出稼ぎが1・4ポイント拡大し、地元は逆に1・0ポイント縮小した。

 就労地区別では、東部3955元(前年比上昇率7・6%、1・2ポイント拡大)、中部3568元(7・1%、0・7ポイント拡大)、西部3522元(5・1%、2・4ポイント縮小)、東北3298元(1・4%、4・8ポイント縮小)。“重厚長大”産業を抱えて地域経済が特に低迷している東北地区は、16年にはマイナス1・4%と前年割れだった。17年に6・2%の上昇に転じたが、18年の上昇率は他の地区に比べ極めて低い。

 農民工=戸籍登記がある郷・鎮の地元企業などで非農業に従事、あるいは都市部など登記地外で年間6カ月以上就業している農村戸籍者。前者が地元農民工、後者が出稼ぎ農民工。狭義では出稼ぎ農民工だけを指す場合もある。中国の低廉な労働力の供給源だったが、都市化の加速で地元や中小地方都市志向が強まるなどの変化が表れていた。中国国家統計局は2008年に農民工観測調査制度を設けた。