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東レ/繊維売上高1兆円に再挑戦/米中摩擦懸念も独自品拡販

2019年05月16日(Thu曜日) 午後1時2分

 東レは、中期経営課題“プロジェクトAP―G2019”の最終となる2020年3月期に、繊維事業の連結売上高1兆円の達成に再度挑戦する。米中貿易摩擦の激化や19秋冬物販売が苦戦する見通しなど環境は厳しいが、「東レにしかできない商品の開発・販売」を加速し、目標達成につなげる。

 繊維事業の連結売上高1兆円は、当初19年3月期での到達を見込んでいた。しかしながら、中国経済の減速の影響がPPスパンボンド(PPSB)などで顕在化したほか、年度後半からは自動車関連用途の需要も減退し、その結果として約260億円の下振れとなった。利益面では原料価格高騰というマイナス要因もあった。

 今期は、米中貿易摩擦の影響はさらに大きくなると予想しているが、計画の数字には織り込み済み。自助努力での拡販に注力するとし、独自商品の開発・提案を強める。バングラデシュやASEAN地域の活用強化など、「サプライチェーン変更の検討」も進める。

 衣料分野は各用途における販売拡大と高付加価値化に取り組み、糸わた・テキスタイル・製品一貫型ビジネスも継続強化する。ただ、18年の暖冬が19秋冬の商売に悪影響を及ぼすとみる。

 産業資材分野については、PPSBやエアバッグ、人工皮革などの増設設備を活用して拡販を図る。

 繊維事業の20年3月期連結業績見通しは、売上高1兆円と営業利益700億円。

〈原燃料価格の上昇響く/19年3月期〉

 東レの19年3月期連結決算は、売上高2兆3888億円(前期比8・3%増)、営業利益1414億円(9・6%減)、経常利益1345億円(11・7%減)、純利益793億円(17・2%減)となり、増収ながら減益だった(短信既報)。中国経済の減速や原燃料価格の上昇などが響いた。

 繊維事業は売上高9742億円(6・6%増)、営業利益728億円(0・6%増)。国内の衣料用途は天候不順などから荷動きが低調だったものの、糸わた・テキスタイル・製品一貫型ビジネスが堅調な動きを見せた。

 今期の連結業績は、売上高2兆5300億円、営業利益1600億円、経常利益1550億円、純利益930億円を予想している。

〈繊維各事業は増収/東レインターナショナル19年3月期〉

 東レインターナショナルの2019年3月期決算(単体)は、売上高6628億円(12・8%増)、営業利益140億円(14・1%増)、経常利益166億円(21・6%減)、純利益119億円(29・5%減)で増収増益だった。繊維の各事業分野で売り上げを伸ばしたことなどが奏功した。

 衣料素材は売上高711億円(5・8%増)。衣料用ファイバーの販売が伸びたほか、スポーツ向けの生地輸出が堅調だった。繊維資材・物資の売上高は521億円(1・2%増)。アパレルは1953億円(27・0%増)で大幅増収だった。大手SPA向けやスポーツ分野向けなどが好調に推移した。

 今期の業績は、売上高6652億円、営業利益132億円、経常利益164億円、純利益122億円を予想している。