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テクテキスタイル開幕/合繊新商品がめじろ押し/4軸織物やメタ系長繊維

2019年05月16日(Thu曜日) 午後1時13分

 【フランクフルト=西田貴夫】世界最大の産業用繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル2019」が14日、ドイツ・フランクフルト国際見本市会場で開幕した。会期は17日まで。2年に1度開催される同展には日本企業も海外子会社も含めて21社がブースを構えるが、今回展では新たな糸、織物や不織布を提案する日本企業が数多く、日本企業の商品開発力の高さを示している。特に合繊メーカーはその傾向が強い。

 帝人はオランダ子会社のテイジン・アラミド、帝人フロンティアが共同出展した。帝人フロンティアが同展に初披露したのは4軸織物「テトラス」。特殊織物製造の明大(岡山県倉敷市)との共同開発品で、商標権は明大が持つ。昨今ポリエステル長繊維使いでスポーツシューズでの採用がスタートしたことから、明大は増設を検討中と言う。4軸による軽量製、強度バランス、デザイン性などアピールし、さらなる用途拡大を狙う。

 東レは韓国子会社のトーレ・アドバンスド・マテリアルズ・コリア(TAK)が製造販売するメタ系アラミド繊維「アラウイン」を初披露した。アラウインは4月にTAKが吸収合併したトーレ・ケミカルズ・コリア(TCK)が生産していたもの。TCKは約10年前にメタ系アラミド繊維を事業化し、現在は年産2700㌧の能力を持つ。注目されるのは開発中の長繊維。メタ系アラミド繊維では数少ない長繊維は3年前に試験プラントを設けたが、今年中に量産機(年産1500㌧)を立ち上げると言う。狙うのはターボチャージャーホースや防護服向け。しかも乾式紡糸で長繊維を手掛けるのは米国デュポンの「ノーメックス」のみだけに、来場者の関心を集めていた。

 クラレは耐熱ポリアミド樹脂「ジェネスタ」を繊維化した「PT9ファイバー」やスチレン系の熱可塑性エラストマー「セプトン」と溶融紡糸が可能なポリビニルアルコール樹脂「エクセバール」の芯鞘構造糸による衝撃性、振動吸収性に優れるダブルラッセル、各種機能性粒子を練り込んだビニロン、米国子会社のカルボン・カーボン製活性炭素繊維、メタクリル樹脂を繊維化した光ファイバーなどを新たに提案。独自ポリマーを繊維化する同社ならではの姿勢を具現化する。

 東洋紡は子会社の日本エクスラン工業(大阪市北区)がアクリルとアクリレート系繊維の良さを組み合わせた「エクスランKMC」を訴求する。繊維表面に無数の穴が空いており、比表面積が通常の66倍。イオン交換性を生かした水処理フィルターなど向けを狙う。架橋剤を使っていないことから食品フィルターなどを狙う。

〈加平/意匠性持つ合皮を開発/3Dデータそのまま製品〉

 合成皮革製造の加平(大阪府泉佐野市)は軽量で耐久性があり、さまざまなデザインを表現できる新合成皮革「DECO(デコ)」を開発した。14日開幕した産業用繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル2019」で披露している。

 デコはデジタル作成した3Dデータをエンボスロールにじかに描くことで、合成皮革表面に意匠性を付与するもの。主にカーシート地向けに提案する。

 軽量性、耐久性に加えて「需要家は独自の意匠性を持った合成皮革を簡単に製造できる」(田所茂和社長)のがポイント。ロールメーカーと連携し、従来の10分の1のコストでロール製作を可能としたことでコスト上昇も抑えた。テクテキスタイルでも来場者からの関心は高く、初日の午前中から多くの人が同社ブースに詰め掛けていた。

 テクテキスタイル出展は今回が4回目。これまではさまざまな合成皮革を出品・提案していたが、今回はデコに絞り込みながら「他製品への要望があった場合には対応する」体制に変更した。ブース中央にデコを使った黒と赤のカーシートを展示する手法を採り、ビジュアル的にも訴求している。