中国・繊維アパレル企業の18年業績(6)/綿紡績/収益回復も米中摩擦が影響

2019年05月21日(Tue曜日) 午前11時48分

 綿紡績企業10社の2018年通年業績は、5社が2桁%での増益になるなど収益力の回復が鮮明になった。減収減益の常山北明を除いた9社が増収増益だった。ただ各社とも、昨年後半から米中貿易戦争の影響が出始めている。

 世界最大規模のコアヤーンメーカーで、ベトナムと中国・新疆での生産拠点の構築に取り組む天虹紡織は、売上高が前年比17・5%増の191億5570万元となった半面、純利益は11億6309万元で1・0%の伸びにとどまった。ベトナムなどで川下戦略を進める中、糸以外の商品が急成長を続けた。

 商品別売上高は、コアスパンヤーンが79億9393万元で0・4%増▽それ以外の糸が75億6024万元で14・2%増▽ストレッチ素材の生機は6億4911万元で38・9%増▽それ以外の生機は2億809万元で58・4%増▽加工織物は11億2241万元で127・4%増▽同期から新たに加わったニット生地は7億9986万元▽デニム製品は8億2206万元で29・7%増。

 昨年後半、特に第4四半期から消費市場で米中貿易摩擦の影響が鮮明になり、糸と製品一貫提案の双方とも勢いに陰りが見られる。

 綿糸と生機、デニム生地を生産する魏橋紡織は、売上高が164億5588万元で0・5%増える一方、純利益は、6億4391万元で23・4%増えた。うち、繊維事業の売上高は、105億1700万元で2・0%減った。

 繊維事業の減収要因は、生産コストの上昇と米中貿易摩擦の影響で川下市場が低迷し、生機の売上高が10・7%減ったこと。

 先染め大手の華孚時尚は、売上高が143億743万元、純利益が7億5178万元で、それぞれ13・6%、11・0%増えた。事業別売上高は、先染め糸販売が22・7%増の72億2200万元、糸販売のプラットフォームなどを手掛けるネットワーク事業が7・3%増の70億1700万元。

 綿糸や機能性テキスタイルを展開する常山紡織は、売上高が14・2%減の96億5611万元、純利益が47・6%減の1億8597万元で、減収減益となった。業績不振の要因は、繊維事業の売上高が輸出不振で約4割減ったことや在庫品の評価損。半面、ソフト事業は好調で、売り上げ全体の50・5%を占めた。(上海支局)