メーカー別 繊維ニュース

特集 快適素材・加工(2)/多彩な機能が続々登場

2019年05月28日(Tue曜日) 午前11時42分

〈高通気に“強消臭”プラス/クラボウ〉

 クラボウはこのほど、“業界最高水準”の性能をうたう“強消臭”加工「ストロングデオ」を開発した。まずはユニフォーム用途で提案する。高通気織物「風織」と組み合わせることで快適性と清潔性の両立を打ち出す。

 同社は現在、スマート衣料「スマートフィット」の実用化に向けて建設現場などへアプローチしており、作業服着用者の声を集めた結果、一般作業服や電動ファン付ウエアともに消臭機能へのニーズが高いことが判明した。これを生かして開発したのがストロングデオ。

 汗臭の原因物質であるアンモニア、酢酸、イソ吉草酸に対して高い消臭機能を発揮する。クラボウによると、同社が実施した試験で現在市場に流通している主な消臭加工を上回る消臭機能を確認したと言う。繊維評価技術協議会が認証する「SEK消臭加工マーク」も取得する予定で、工業洗濯50回でも機能が持続する高耐久タイプも間もなく完成する。

 評価が高まっている風織との組み合わせも可能。風織は高通気に加えストレッチタイプも用意しており、「高通気」「ストレッチ」「消臭」のマルチ機能化が可能になった。そのほか、やはり“業界最高水準”の性能をうたう防汚加工「ソイルスウィープ」も開発した。機能加工のラインアップが一段と充実する。

〈快適実現する機能レーヨン/ダイワボウレーヨン〉

 ダイワボウレーヨンは得意の機能レーヨン短繊維で快適や清潔に焦点を当てた商材を多彩にラインアップする。撥水(はっすい)機能など従来のレーヨンとは異なる切り口で合繊代替需要の開拓にも取り組む。

 同社は細繊度レーヨン「ソフレイ」や丸断面レーヨン「ベーリービーズ」などレーヨンが持つ吸湿性やソフトな風合いを追求した機能原綿を豊富にラインアップするが、最近では撥水レーヨン「エコリペラス」など従来とは異なる切り口の商材も開発した。

 衣料だけでなく衛材、コスメ、食品包装などの用途では“サステイナビリティー(持続可能性)”の観点から天然由来で生分解性のあるレーヨンへの注目が高まっており、これを生かして撥水レーヨンによる合繊代替需要の開拓を目指している。肌に優しいとされる弱酸性を維持するpHコントロール機能も打ち出す。

 ここに来て注目が高まる防虫機能素材には防虫レーヨン「バグノン」と「マイテクト」を用意。天然由来で安全性の高い防虫成分であるケイ皮酸誘導体を練り込んだもの。バグノンは蚊を対象とした試験で、マイテクトはダニを対象とした試験でそれぞれ効果を確認した。

 環境に優しいレーヨンでさまざまな機能を実現することで、サステイナブルな快適素材を追求する。

〈消臭・抗菌と吸水速乾 両立/富士紡ホールディングス〉

 富士紡ホールディングスは綿100%でさまざまな機能性を付与する加工の開発に力を入れている。その一つが消臭・抗菌防臭に吸水速乾機能を併せ持つニット生地「デオスカイ」。抗菌防臭機能は、近年注目が高まるわきがの原因菌にも対応する。

 抗菌防臭加工は、汗臭の原因物質であるアンモニア、酢酸、イソ吉草酸を発生させる細菌の増殖を抑えるものが一般的だが、最近になって化粧品メーカーがわきがの原因菌がコリネバクテリウム属だと特定した。これに着目した富士紡ホールディングスがコリネバクテリウム属を対象とした抗菌防臭加工を開発した。

 デオスカイは、これに消臭機能と吸水速乾を複合加工したもの。一般的に綿への吸水速乾加工と抗菌防臭加工を同時に付与するのは加工剤の相性などの点から極めて難度が高いが、フジボウテキスタイルの和歌山工場(和歌山市)の技術で実現した。Tシャツなどで採用が既に始まっている。

 綿100%の防汚加工ニット生地「ワンダーフレッシュ」も注目の加工。油汚れに対するSG(ソイルガード)性とSR(ソイルリリース)性を併せ持つ。SG性とSR性の両立は高度な技術を必要とするが、これもフジボウテキスタイルの和歌山工場の技術力でクリアした。

〈みのから生まれた生地が人気/帝人フロンティア〉

 帝人フロンティアの高機能生地「ミノテック」の販売が伸びている。古来の雨具「みの」のように“水を滑らせて、雨を避ける”という発想が評価され、アウターやセットアップスーツ用途などで採用が進む。ストレッチ性の向上など素材力をさらに高め、「紳士服地の基幹ブランドにする」と意気込む。

 ミノテックは、凸凹の表面が油分に覆われている稲の葉を生地で再現した撥水(はっすい)素材。生地の縦方向に水を流し、横方向に水滴の表面張力を低減するための凸構造が配されており、水滴が生地上を転がり落ちていく。機能が分かりやすいのも大きな特徴。

 17春夏物で販売を開始して以降、ストレッチ性を兼ね備えた「ミノテックST」やラミネートタイプなどバリエーションを順次拡大してきた。毎シーズン着実に販売を伸ばし、用途もアウターやセットアップスーツなどのほか、資材関連(かばん、傘など)にも広がりを見せる。

 今後はストレッチ性の向上など素材の進化に力を入れる。婦人分野を含めて、オールアイテムに向けて訴求し、同社を代表する「大型商材の一つに育成」する。