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東レ 産資・不織布部門/海外増設前のプレワーク強化/不織布1千億円に手応え

2019年05月29日(Wed曜日) 午後4時52分

 東レの産業資材・不織布事業部門は2019年度(20年3月期)、主力の紙おむつ用スパンボンド、エアバッグ用ナイロン66で引き続き拡大戦略に取り組む。両事業で進める海外の増設設備を立ち上げる前のプレワークを強化するとともに、紙おむつ用素材、BCFナイロンで新商品開発を急ぐ。

 同部門は18年度、予算を達成したものの、前年実績には届かなかった。「上半期と下半期のギャップの激しい一年間だった」(平井正夫産業資材・不織布事業部門長)と言い、紙おむつ向けに展開するポリプロピレン(PP)スパンボンド、ナイロン66とも下半期以降、踊り場的状況を迎えたと語る。

 スパンボンドでは19年度、「再び成長軌道に戻す」としており、今年9月に新設備が立ち上がる中国、来年4月スタートのインドでともにプレワークを強化し、事業拡大につなげたいという考えを示す。

 同社は、他部門が展開するビジネスも含めた不織布事業トータルの年商を19年度で1千億円台に乗せる中期計画を進めており、「今年度末で達成できる」との手応えを示している。

 国内では、次世代型の紙おむつ向け新素材を開発するための試験機を滋賀事業場に導入。1デシテックス未満のPPスパンボンドで既存品とはタッチや質感が全く異なる原反を既に開発しており、病院や医療品ルート向けの販売を3月にスタートさせた。

 一方、エアバッグでは、18年度下半期からインド、メキシコの織布工場を立ち上げており、両拠点の販売が19年度業績に寄与してくる見通し。インドの織布工場はインドに最初に進出するエアバッグ布メーカーとして世界中の部品メーカーから注目されている。

 エアバッグ布の新商品が採用され始めているほか、既存商品が新しい車種、新しい部位で決まり始めているため、エアバッグトータルでは19年度、15%以上の増販を計画している。

 自動車関連では、吸音材の開発にも力を入れており、EVの普及・浸透に伴い求められている高性能タイプをナノファイバーなどの導入で早急に具体化させる。

 BCFナイロンでは、インビスタが撤退を表明した白糸のゾーンをナイロン6で代替するための取り組みを急いでいる。弾性率や耐熱性の向上を目指しているほか、加工工程の改良などを急ぎ、新規販路の開拓を目指す。