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東レ 婦人・紳士衣料事業部/20春夏はフェミニン表現/素材力で需要取り込む

2019年05月31日(Fri曜日) 午後4時37分

 東レの婦人・紳士衣料事業部は、革新複合紡糸技術から生まれた生地などを20春夏の婦人服市場に積極提案する。機能を前面に打ち出すだけでなく、しなやかな風合いをはじめとする感性を組み合わせることで女性らしさを表現する。婦人服にフェミニンの流れが出始めており、素材力で需要を取り込む。

 革新複合紡糸技術「ナノデザイン」は、従来の技術では制約があった複合繊維の断面形態を、任意かつ高精度に設計できる。このナノデザインから、ポリエステル超極細微細捲縮(けんしゅく)糸使いのテキスタイル「ユーティーエス フィット」などが生まれている。

 20春夏ではこのユーティーエス フィットのほか、同じくナノデザイン技術を使ったストレッチ生地「プライムフレックス マイクロタイプ」の訴求を強める。そのほか、スポーツ分野が中心用途だった、高い遮熱性と紫外線遮蔽(しゃへい)性を持つ「ボディシェルEX」を婦人服分野に初めて提案する。

 ボディシェルEXは、光の透過を抑えるセラミックス粒子の含有率を高めて機能を向上させた生地。従来の「ボディシェル」よりも薄い生地で同じ防透け性が出せ、ブラウスをはじめとする薄地の展開も可能になった。糸加工を施して生地に表情を付与するなど、ファッション性も高めた。

 石井慎二部長は「婦人ファッションのフェミニン化は好機」とした上で、「ユーティーエス フィットやボディシェルEXなどの機能素材でどれだけフェミニンさを表現できるかになる」と拡販の鍵を示した。フェミニンに応じる素材では絹調ポリエステル「シルック」の伸長にも期待する。

 婦人・紳士衣料事業部の2019年3月期は、感性と機能を融合した生地などの動きが順調で、海外販売も伸びたこともあって売上高と利益ともに前期比2桁%拡大した。ナノデザインを用いた素材開発に継続して注力し、「今期も2桁%の成長」(石井部長)を狙う。