商社繊維事業の現在地―2018年度決算から①

2019年06月03日(Mon曜日)

総じて堅調な業績推移/取り組み深耕や海外拡大で

 商社の2018年度繊維事業業績は全体として堅調だった。前期比で見れば減収も散見されるもののその幅は大きくなく、利益面でも一部を除き、伸ばすところが目立った。最大手の伊藤忠商事が大幅増収、営業増益となり、豊田通商も2桁%の増収増益。蝶理や旭化成アドバンスも好調さが際立った。一方、三共生興やユニチカトレーディングのように減収減益を強いられるケースもあり、各社各様のすみ分けが進む中、事業領域や収益力の差も表れた。「サステイナブル」(持続可能な)は成長への共通キーワードだが、業績への反映はまだ先か。商社繊維事業の18年度を振り返る。

 伊藤忠は売上総利益以外の項目を伸ばした。同社が最も重視する純利益は前期比2倍以上の伸びを見せた。単体トレードや三景などアパレル関連事業の好調に伴う基礎収益の積み上げに加え、先行投資案件が順調に業績に寄与した。子会社ではジョイックスコーポレーションやコンバースフットウェアなども堅調だった。

 蝶理の好業績には、ベトナム法人の生地コンバーティングなど外・外ビジネスの拡大や製品事業の体質改善などが寄与した。

 住友商事は選択と集中を推進する中でベトナム事業が好調に推移し、ユニフォームの住商モンブランが過去最高業績を更新するなどで2・7%の増収となった。減収営業減益だった三共生興は、不採算店舗の撤退などがその要因だったが、「今期は攻める」として国内外で成長戦略を描く。

 メーカー系商社のグループでは、東レインターナショナルの2桁%増収が際立つ。寄与したのは大手SPAとの取り組み深耕。

 同社に限らず、「どこと取引するかによって大きく業績が変わる」という現実がより鮮明になっている。