商社繊維事業の現在地―2018年度決算から②

2019年06月04日(Tue曜日)

グローバル化が鍵

伊藤忠商事/過去最高の純利益めざす

 伊藤忠商事繊維カンパニーの2018年度は、売上高(外部顧客からの収益)が5935億円(前期比13・6%増)、売上総利益が189億円(2・5%減)、純利益が297億円(約2・4倍)だった。

 三景などのアパレル関連事業が堅調に推移したことに加え、海外アパレル関連事業の売却益を計上した。前の期に、エドウインや三景、その他ブランドで減損処理を行った反動もあり、純利益は大幅増となった。

 今期は「商いの次世代化」を推進し、純利益は過去最高の330億円を目指す。ファッションアパレル分野では、原料から製品まで主導権を持ったバリューチェーンの構築を進める。

 保有株式を40%に買い増したデサントについては、企業価値向上のため全面的に協力する方針を示す。

日鉄物産/デジタル化でOEMの競争力向上

 日鉄物産の繊維事業連結は売上高1508億円(前期比1・8%減)、経常利益44億円(26・9%増)と減収増益だった。衣料品の国内販売の減少傾向に加え、電子商取引(EC)やリユースビジネスの台頭もあり、事業環境が厳しく減収。しかし、主力のアパレルOEM/ODM事業で生産ロスの削減に取り組んだ成果により、経常増益を確保した。単体では輸入売上高が981億円と4・3%減少したが、海外売上高は91億円と37・9%伸びた。

 今期の繊維事業は、売上高1500億円、経常利益45億円を見込む。OEM/ODMの競争力向上を目指して積極的な設備投資を行い、生産管理などのデジタル化を促進する。短納期・小ロットのニーズに対応するため、サンプル製作での3Dグラフィックスの活用を増やす。

住友商事/ユニフォームとベトナムが好調

 住友商事繊維事業連結は、売上高が715億円(前期比2・7%増)だった。単体売上高は38億円(36・7%減)。

 中核のスミテックス・インターナショナルで、強みを発揮できる分野に特化した形で選択と集中を進めた。ベビー・子供服分野やキャラクター雑貨で国内市場の拡大を図り、ベトナムの自社専用縫製ラインで生産する中高級衣料品事業は中国からの生産シフトを受けてフル稼働となり、ライン増設も進めた。ユニフォームの住商モンブランは過去最高売上高を更新するなど好調を持続した。

 今期も各事業が「好調に推移する」とみる。事業拡大に向け、スミテックス・チャイナによる中国市場向け縫製品の拡大を図る。