繊維は新材料/テクテキスタイル2019⑥

2019年06月04日(Tue曜日)

メタ系アラミドで長繊維

 メタ系アラミド繊維は防炎性、難燃性に優れた高性能繊維の一つで、バグフィルターや消防服をはじめとする防炎服などに使われている。同じアラミド繊維でも高強力・高弾性率が特徴のパラ系アラミド繊維とは物性が異なる。

 日本化学繊維協会の『繊維ハンドブック』によると、メタ系アラミド繊維の大手企業は、米国のデュポン「ノーメックス」(年産2万900㌧)を筆頭に、中国の煙台泰和新材料「ニュースター(紐士達)」(7千㌧)、そして帝人の「コーネックス」(2700㌧)と「コーネックス・ネオ」(テイジン〈タイランド〉が生産、2200㌧)合わせて4900㌧が3強となる。

 メタ系アラミド繊維は基本的に短繊維が多く、バグフィルター向けはニードルパンチ不織布に、防炎服は紡績糸で使われる。唯一、長繊維を生産するのはデュポンだったが、この市場に東レが参入する。「テクテキスタイル2019」ではメタ系アラミド長繊維「アラウィン」を初披露し、関心を集めた。同社は前回展(2017年)で液晶ポリエステル繊維(高強力ポリアリレート繊維)「シベラス」を発表しており、高性能繊維の拡充に力を入れていることをうかがわせる。

 アラウィンの生産を担うのは韓国子会社のトーレ・アドバンスド・マテリアルズ・コリア(TAK)。TAKが今年4月に吸収したトーレ・ケミカル・コリア(TCK)が10年前にメタ系アラミド繊維の短繊維を事業化した。現在その規模は2700㌧だが、3年前に長繊維のパイロット設備を導入。開発を進めてきた。そして、今年中に150㌧の量産機を立ち上げ、自動車のターボチャージャーホースの補強材向けを中心に本格展開を始めるという。

 このアラウィンはノーメックスと同じく、乾式紡糸によるもので、湿式紡糸のコーネックスとは製法が異なる。一般的に乾式紡糸は湿式紡糸に比べ紡糸速度を早くすることができるため長繊維生産には有利とされる。一方で、製造設備が大型化するというデメリットもある。

 果たして、ノーメックス一強のメタ系アラミド長繊維に東レが参入することで変化が起こるのかどうか、興味深い。